グルメ

「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol. 51

サントリージャパンプレミアム かみのやま カベルネ・ソーヴィニヨン2014:ワインキュレーター 柳 忠之

2016.11.25

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サントリーの登美の丘ワイナリーに行ってきました

先日、サントリーが山梨に所有する「登美の丘ワイナリー」に行って参りました。渡辺直樹ワイナリー長から現在の登美の丘ワイナリーの取り組みについて説明があり、また合わせてテイスティングセッションが行われるというのです。

登美の丘ワイナリーは100年の歴史を誇るブドウ園です。日本で初めて貴腐ブドウの収穫に成功し、75年ヴィンテージのノーブルドールを生み出したのも、また、1982年が初ヴィンテージのフラッグシップ「登美」を生み出したのも、この登美の丘でした。

渡辺ワイナリー長によると、98年から01年までの4年間、登美ができない時期があり、その原因を探っていったところ、ブドウの植え方に問題のあることがわかったそうです。そこで登美の丘の土地をよく理解することが大事と検証作業に取り掛かりました。この時にわかったことを元に、畑では早生栽培を始めたり、改植の際に正しい台木を選んだり、また畝の方向を雨の流れやすいい方向に向けたりと、地道な努力が積み重ねられたそうです。

そして、ようやく「登美」の本来あるべき姿、スタイルが見えてきたそうですが、その話はまた別の機会に…

まるでボルドーを彷彿させる均整美

じつはサントリーでは、この自社ブドウ園「登美の丘ワイナリー」で造られるワインだけでなく、「ジャパンプレミアムシリーズ」としてさまざまな日本ワインをリリースしています。

ワイナリーでのレクチャーとテイスティングセッションに続いて、ジャパンプレミアムのワインと料理とのペアリングを体験するセッションが用意され、その時に猪ロース薄切り肉のストラチェッティに合わせ、「おっ」と感心したのが、「かみのやまカベルネ・ソーヴィニヨン2014」でした。

かみのやまとは、山形県の蔵王山麓に位置する上山のことです。正直なところ、晩熟で暖かい土地を好むカベルネ・ソービニヨンが、こんな寒い土地で育つわけがないと思っていました。ところがこの上山では、カベルネ・ソーヴィニヨンの収穫を10月の末まで待つことができ、長いハンギングタイム(ブドウの実がなってから摘み取りまでの期間)がとれます。ハンギングタイムが長ければ長いほど、その分ブドウが熟すのは言うまでもありません。さらに、フレーバーもより豊かになるのです。

こうして出来上がったワインですが、深い色調をもち、凝縮感も十分。緻密な構成で骨格がしっかりしており、きれいな酸味と洗練されたタンニンをもつ、端正なカベルネ・ソーヴィニヨンに仕上がっています。熟成バルサミコソースがよいつなぎとなり、ワインと料理のペアリングをみごとに成立させていました。

このかみのやまカベルネ・ソーヴィニヨン、果実味、酸味、タンニンが美しく調和したその姿は、フランスのボルドーワインを彷彿とさせてくれます。と、ここまで原稿を書いて思い出したのですが、渡辺ワイナリー長が醸造学を学んだのはボルドー。彼の地を思い出しながら、このワインを仕込んだのかもしれませんね。

 

参考価格3148円(税別)サントリー http://www.suntory.co.jp/wine/nihon/

 取材・文/柳 忠之

 

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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