グルメ

「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol. 52

グランポレール安曇野池田ヴィンヤード・メルロー2014:ワインキュレーター 柳 忠之

2016.12.01

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ふたたび安曇野池田ヴィンヤード

グランポレールの安曇野池田シリーズは、これまでも何度かご紹介しましたが、2014年ヴィンテージのメルローを試飲する機会に恵まれたので、今一度おさらいです。

安曇野池田ヴィンヤードはグラン・ポレールの自社畑。12ヘクタールの広さに、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネといった比較的馴染み深い品種のほか、シラーやソーヴィニヨン・ブランなど、日本では栽培実績の少ない品種も植え付けられています。

長野県の信州ワインヴァレー構想では日本アルプスヴァレーに属していて、中山山地を背にして西に北アルプスを臨む斜面にブドウ畑が広がっています。夏は夕方になると北アルプスを経由した北寄りの風が吹き、夜間温度を下げてくれるばかりでなく、平地から斜面を吹き上げる風も流れ、1年を通じて風通しのよい環境が整っています。またブドウ畑の平均高度は海抜580メートル。昼夜の寒暖差が大きいためブドウの熟度が上がると同時に、きれいな酸味も保たれます。

礫が多く含まれた斜面にあるので水はけがよく、雨の多い年でもブドウが水ぶくれする心配が少ないことも利点のひとつ。じつに恵まれたテロワールといえるでしょう。

難しい年を克服した、骨格のしっかりしたメルロー

さて、その中でも今回は2014年のメルローです。長野県で栽培されるヨーロッパ系の赤ワイン用品種として、メルローはその代表格。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると早熟な品種ですから、ゆっくり生育することが出来る長野の涼しい気候が適しているのかもしれません。

2014年は例年よりも雨がちで、日照不足が心配されましたが、水はけの良いテロワールのおかげでブドウが希釈されることなく、また収量を厳しく制限することでしっかり色付きのよいブドウが収穫できたそうです。むしろ気温が低めに推移したおかげで、きれいな酸味が保たれたとか。

ブドウは山梨県の勝沼にあるグラン・ポレール専用ワイナリーに運び込まれ、カリフォルニア大学デイヴィス校で学んだ工藤雅義チーフワインメーカー指揮のもと醸造されました。

ここには小型の発酵タンクが用意されていて、区画ごとに細心の注意を払った醸造を行うことが出来ます。

発酵の済んだワインはフレンチオークの小樽に詰められ、16ヶ月の樽熟成。その際の新樽の比率は50パーセントとなっています。新樽が強すぎると果実味が負けてしまいますし、弱すぎるとパンチに欠けたワインになりかねません。そのさじ加減がワインメーカーの腕の見せどころです。

さてこのワイン、どんな出来でしょうか。色調は深みのあるガーネット。難しいヴィンテージにしてはじつにいい色合いです。香りはブラックベリーやブルーベリーなど黒いベリー系に、甘草やシナモンなどのスパイス。味わいはソフトな果実味とともに、この年らしいきれいな酸味が縦に伸びていきます。ちょっと意外だったのは、しっかりしたタンニン。メルローは比較的タンニンの柔らかな品種ですが、緻密なタンニンがよいストラクチャーを形作っています。アフターには香ばしいビターチョコレート。満足感の高い赤ワインですね。

これだけしっかりしたワインですと、焼肉でもカルビが合いそう。ただしボディの厚みはミディアムなので、塩カルビが良さそうです。

 

4320円(税込み)/サッポロビール 
http://www.sapporobeer.jp/wine/gp/index.html

 

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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