グルメ

「本日もいい塩梅」 vol.36

製塩所訪問記~高知県その2・土佐の塩丸~:ソルトコーディネーター 青山志穂

2017.01.13

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親子2代の共演から生みだされる塩

以前にもこの連載の中で「トマトに合う塩」としてご紹介した「土佐の塩丸」。

私が一番最初に「土佐の塩丸」を作る有限会社ソルティーブを訪れたのは、もう約7年ほども前のこと。黒潮町の海を目の前に臨み、緑豊かな山をすぐ後ろに背負ったその場所に建つ製塩所で、生産者である吉田さんご家族が暖かく迎えてくれたことを懐かしく思い出しながら、昨年5年ぶりに再訪することができました。残念ながらご主人の猛さんは数年前に逝去されてしまっていましたが、ご主人と一緒に塩作りをしていた奥様のかずみさんと、2009年に県外から戻ってきて跡を継いだ息子の拓丸さん、そして一緒に塩づくりに励むスタッフの大城さんの暖かい笑顔に迎えていただきました。

拓丸さんが塩づくりに本格的に参加したことによって、「土佐の塩丸」は新しいステージへと進化を遂げていました。

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母の作る「土佐の塩丸」

一代目の猛さんは高知県外の出身ですが、「生命は海から生まれ、その記憶をみんな宿して生きている。長い時間をかけて、地球上のものはやがて海に還っていく。塩づくりはその循環の中にある」という考えのもと、雄大な海と豊かな山の距離が近いこの高知県黒潮町の海岸沿いを選んで、自然の恵みである太陽と風の力だけを使って作る完全天日塩づくりをスタートさせました。

海沿いに大きなやぐらのようなネット式塩田を建て、海水をかけ流して循環させ濃縮し、併設したハウスの中にずらりと並ぶ結晶箱の中に入れて、結晶させます。「循環」「調和」を意味する「丸」という言葉を使い、「土佐の塩丸」という名前をつけた、少し大きめの結晶の塩は、力強いしょっぱさと酸味、あとを引くうまみがあり、非常に濃厚な味わい。最近主流となってきたうまみの濃いトマトを冷やして、この塩をかけてしばらくなじませると、うまみが増強されて、フレッシュだけれども濃縮されたようなうまみを楽しむことができます。

ご主人とともに塩づくりをされていた奥さんのかずみさんの手によって、今でもこの製法で塩づくりが行われています。

 

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