グルメ

「お米が主役」 vol.66

《番外編》ヨルダンで食べられているお米を探る:お米キュレーター 柏木智帆

2017.02.21

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「ホブスが主役」のヨルダンの食卓

中東の親日国として知られるヨルダン。
この国の主食は、ホブスという丸く平たいアラブのパン。ディップをつけたり、香辛料で味付けした挽肉を包んで焼いたり、乾燥させて砕いたサラダにトッピングしたりとさまざまな食べ方があります。

街中を歩いていると、20枚…いや40枚以上はあるのではないかと思える、大量にホブスが入ったビニール袋を持っている人を見かけます。そして、レストランに入ると、ホブスは食べ放題。安価な主食として人々の日常食として根付いているのです。

写真(上)/ ヨルダンの首都アンマン市内にあるホブス屋

(2)IMG_7982 copy-min写真(上)/ ホブスはナンのように釜の中に貼り付けて焼く

しかし、ヨルダンにも「マグルーバ」と呼ばれるお米料理があります。「ひっくり返す」という意味で、鍋に野菜と肉を入れて炊き、皿にひっくり返す料理です。

基本的に「ホブスが主役」のヨルダンの人たちは、どんなお米を食べているのでしょうか。首都アンマン市内のスーパーへ行ってみました。

アンマンのスーパーに並ぶ国際色豊かなお米たち

(3)IMG_0833 copy-min写真(上)/ アンマン市内のスーパーには各国のお米が並ぶ

スーパーの棚には、お米がずらり。ところが、ヨルダン産のお米は1つも見つかりません。
並んでいるお米の産地は、カリフォルニア産、テキサス産、タイ産、オーストラリア産などなど。非常に国際色豊かです。
マグルーバに使われるお米は、長粒種と呼ばれる長細いお米で、スーパーでも発見しました。一方で、日本のお米よりも少しだけ長細めの中粒種のお米も販売されていることに気づきました。

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写真(上)/ 中粒種のお米

現地の方に、「ヨルダン人は中粒種も食べるのですか?」と尋ねたところ、「中粒種を買って行くのは中国人をはじめとしたヨルダン駐在の東南アジア地域の人だ」と教えてくれました。アンマンのビルの一画には、中国人による主に中国人のための中国食材店があるなど、仕事などが理由でヨルダンに住む中国人は多いようです。

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写真(上)/ 妖艶な謎のイラストが描かれたパーボイルドライス

棚に並ぶお米を1つ1つ見ていくと、うっすらと茶色い長粒種のお米を発見しました。玄米よりは色が薄めなので、玄米ではなさそうです。このお米はなんだろう…。その疑問に答えてくれたのは、横浜市保土ケ谷区の米卸売会社「千田みずほ」海外事業部長の隂山貞三さん。「これは、parboiled rice(パーボイルドライス)です」と教えてくれました。

そこで、パーボイルドライスについて調べてみました。

まず、日本人が日常的に食べている日本米は、籾がついた状態で乾燥させてから籾摺り(籾殻を外す作業)をして、玄米になっています。

一方で、パーボイルドライスは、籾を水に浸けて吸水させた後、蒸してから乾燥させ、籾摺りをしています。こうした工程によって、栄養価が高まり、米粒が割れにくくなるほか、炊飯後に長く置いておいても劣化しにくいなどの特徴があるそうです。

アンマンのスーパーと日本のスーパーを比べると、やはり日本は瑞穂の国なのだと改めて感じられます。日本で販売されているお米は、ほぼ国産。産地も品種も非常に豊富です。日本にはせっかくたくさんの品種があるのですから、料理や気分に合わせてお米の品種を変えてみると、ごはんの楽しみ方の幅がもっと広がるかもしれません。

 

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