グルメ

「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol.65

清澄白河フジマル醸造所 Delaware vinified by Sato:ワインキュレーター 柳 忠之

2017.03.09

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ニュージーランドで活躍する日本人醸造家とのコラボ

ここ数年、海外のワイン産地で活躍する日本人醸造家が増えています。とくに多いのがニュージーランド。楠田さん、岡田さん、木村さん、佐藤さん。少なくとも4人の日本人がワイン造りに従事されてます。

その中の一人、佐藤嘉晃さん。もともと銀行で働いてましたが、ワイン好きが高じて醸造の道へ。2006年にニュージーランドへ渡り、南島のクライストチャーチにあるリンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造を学び、セントラルオタゴのフェルトン・ロードで修行。その後、マウント・エドワードのワインメーカーとして働きながら、2009年にサトウ・ワインズを設立しました。

その佐藤さんが清澄白河フジマル醸造所とコラボレーション。日本で醸造したのが、今回ご紹介の「デラウェア・ヴィニファイド・バイ・サトウ」です。

日本ワインの存在を世界に知らしめるきっかけに!

大阪の島ノ内フジマル醸造所、東京の清澄白河フジマル醸造所を運営する藤丸智史さんも、ニュージーランドでワイン造りの修行を積んだ人物。おふたりとも関西のご出身ですし、意気投合も自然の成り行きのように思われます。

このプロジェクトはそもそも、藤丸さんが日本ワインの存在を世界に広く知らしめるため思いつかれたとか。カリフォルニアのオーパス・ワンやオレゴンのジョゼフ・ドルーアンのように、著名産地の造り手が進出した結果、世間に認知されるようになった新興産地が数多く見られます。

「海外での評価の高い佐藤さんに、日本でワインを造ってもらうことで、日本ワインの価値を高まればよいなと思いました」と藤丸さん。

日本がワインを仕込む時期、季節が反対のニュージーランドは手が空くので醸造は可能。佐藤さん自身も日本のブドウに触れてみたいという気持ちもあったそうで、おふたりのコラボレーションはスムーズに進んだようです。

さて、そのワインですが、山形県置賜のデラウェアを東京の清澄白河フジマル醸造所で仕込んだもの。6時間をかけて低圧プレス。酵母も市販のものではなく、自然界の自生酵母による自然発酵です。酸化防止剤の添加は瓶詰め前におまじない程度。いわゆる自然派的な手法ですね。

グラスに注いでみるとやや濁りがあり、清澄も濾過もしていないことがわかります。ところが口に含むと、ピュアでハツラツとしており、自然派にありがちな不快な香味は感じられません。むしろ生のブドウを頬張ったようなみずみずしさが感じられ、フレッシュで生き生きとした味わい。ボディの厚みも十分です。

海外で活躍する日本人醸造家が手がけた山形のデラウェア。日本ワインを世界に広めるきっかけになるといいですね。

 

2,462円(税込)/清澄白河フジマル醸造所
http://www.papilles.net/winemaking/kiyosumishirakawa/

 

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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