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「本日もいい塩梅」 vol.45

製塩所訪問記~宮崎県その1~:ソルトコーディネーター 青山志穂

2017.03.17

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宮崎県も塩づくりが盛ん

前回まで7回に分けて高知県の製塩所をご紹介してきましたが、宮崎県も負けず劣らず、製塩所が多く、さまざまな塩が生み出されています。

宮崎県内の製塩所は、確認できているだけでも全部で7か所。美しい海、そしてその海に面した海岸線に恵まれ、降水量は多いものの日照時間も長く、冬には乾燥した西風が吹く晴天も多いため、比較的製塩には向いた土地柄であることも関係しているのでしょう。また、「鬼の洗濯板」でも有名な青島神社は塩の神様が祭られている神社でもあり、塩とは縁深い地域であると言えます。製塩の第三世代ともいえる若手生産者も多く、今後の展開が楽しみな宮崎エリア。

今回から2回に分けて、宮崎県の個性あふれる塩作りをご紹介していきます。

rd1700_Sio45-02父の跡を継いで

延岡市には2つの製塩所があります。まず1つ目は、「海みたま」を生産する日高純塩。漁業も営む生産者が塩作りも行っています。そのため、製塩所が位置するのは漁港の中で、漁港を歩いていると、ひょこっとネット式の立体型タワー塩田が見えてきます。そこで塩作りに励むのが、塩づくりを始めたお父さんを手伝ううちに、いつしか塩づくりを一手に引き受けるようになった、二代目の日高重暢さんです。

理想の海水を求め、お父さんが探し当てたのは、遠く離れた無人島。生活排水による汚染がなく、山から川を通じて山のミネラルが海に流れ込む、清浄で豊かな海の水を使用しています。その無人島まで漁船を出して取水し、漁港に建てたネット式塩田にかけ流して太陽と風の力で濃縮したのち、併設の小屋にある特製の鉄釜で煮詰めていきます。

Sio45-03神話からヒントを得て

商品名の「海みたま」は、「うみたま」と読みます。宮崎県に伝わる海幸・山幸伝説に登場する「海御珠」から、塩の満ち引きを操る宝玉「潮密球」、「潮乾珠」にヒントを得て名づけられました。そこには、「海から生まれた魔法の塩で、みなさんの料理に彩りを加えたい」という想いと、「自然界からの恵みに感謝する心を忘れない」という想いが込められています。

できあがった塩は小粒でややしっとりした感触。しょっぱさはまろやかでほどよい雑味と苦味があり、はっきりとした酸味を感じます。脂ののったマグロを軽く炙ったもの、もしくはローストビーフなどの牛肉料理にもおすすめです。

梅酢を利用して美しいピンク色に染め上げた「海みたま さくら」や、梅パウダーを配合した「海みたま 梅の塩」など、商品開発も盛んに行っており、今後の展開が楽しみな製塩所です。

 

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