製塩所訪問記~宮崎県その2~:ソルトコーディネーター 青山志穂

2017.03.24

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宮崎に伝わる塩の伝説

古事記や日本書紀にも登場する、宮崎県の日南海岸に伝わる「海幸・山幸」神話。この物語には、塩の神様である塩筒大神(しおづづのおおかみ)が登場します。いくつ解釈はありますが、弟・山幸彦に自分の大事な釣り針をなくされた兄・海幸彦が激怒し、山幸彦が自分の剣を釣り針に作り変えて償っても兄の怒りが収まらず途方に暮れていた時に、助言をくれたのが塩筒大神だとされています。

塩筒大神の助言のお蔭で、紆余曲折を経て、最終的には兄と弟は和解することができました。
日南市にある青島神社は、山幸彦(彦火火出見命)とその妻・豊玉姫命、そして塩筒大神の三神を祀る神社で、約700万年前くらいに形成された水成岩が隆起してできた波状岩である「鬼の洗濯板」が目の前に広がり、熱帯植物に囲まれた霊域として、多くの参拝客を迎え入れています。

写真(上)/ 鬼の洗濯板

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写真(上)/ 境内で売っていた塩

神様に奉納される塩

境内では、「青島神社 御神塩」として、青島神社の敷地内にある御湊で取水した海水を原料に生産された塩を購入することができます。生産を担うのは、宮崎海塩工房の川畑清嗣さん。海水を小さな平釜で炊いて結晶させたあと、天日に干して仕上げられた塩は、小さなフレークやトレミー(ピラミッド型)結晶で、シャクシャクとした食感が楽しめます。

プレーンタイプのほか、宮崎県産の梅紫蘇で色づけたピンク色の「さくら塩」、同じく宮崎県産のウコンで色づけた黄色の「ウコン塩」、濃縮海水に金箔が施された「液塩」など、バラエティ豊か。塩はそもそも「穢れを払う」ものとして扱われてきたこともあり、食用としてはもちろん、お清め用としても人気が高いそうです。

 

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