グルメ

代々木上原 おこん:「お米が主役」vol.03 柏木智帆

2015.11.18

 

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ごはんを肴にお酒が呑める店

ごはんはお酒の締め。そう思っている人に新鮮な驚きを与えてくれる店「おこん」。メニューはコースのみで、なんと先付けから土鍋炊きの白ごはんが登場。極上のごはんを肴にお酒が呑める、ごはんの国ならではの新しい食事のかたちです。

「ごはんを食べながらお酒を呑むと悪酔いしません」

そう話すのは、店主の小柳津大介さん。鮨をつまみながらお酒を呑むことを考えれば、たしかに不思議ではありません。

「最初は『ごはんを食べながらお酒を呑むなんてあり得ない』と言う人も、食べてしまえばあり得るようになるのです」

使っているのは、生産者のこだわりが詰まったお米や、米屋の精米技術が光るお米。米・食味鑑定士でもある小柳津さんの炊飯技術でお米のおいしさを最大限に高めています。お米の仕入れは、生産者からの直送以外は主に東京都墨田区の米屋「亀太商店」。胚芽を若干残して仕上げることで、白米よりも甘味が増すように精米しています。

「フルーツは実と皮の間がおいしいように、米も薄皮1枚残すことで絶妙の状態になります。お米の芯部分にはあまり味がなく、一方で玄米に近いほど味はありますが雑味もでます」

ほとんど白米でありながら栄養や味を残すという、いいとこ取りを狙ったのがこの独自精米法です。

おこんで食べられるお米は、昭和天皇穀物献上農家で、米・食味鑑定コンクール最優秀賞を受賞した山形県の青木功樹さんがつくったミルキークイーン、千葉県南房総市産の無農薬・無化学肥料コシヒカリなど、時期によってさまざま。

噛むごとにじわりと甘みが広がるごはん、口に入れた瞬間に旨みが広がるごはん、しっかりと弾力のあるごはん、ふっくらとしていて口の中でほろほろとほどけるごはん。ごはんだけで箸が止まらなくなる。そんな体験に出会えます。

rd850_白ごはん
日本の文化を食べる土鍋ごはん

特筆すべきは、「つまみ飯」。

イカわた、味噌、生姜で炊き込んだ「烏賊腸葱ごはん」は、まさに酒のつまみ。炊飯後に刻みネギをどっさり混ぜ込むと、ごはんにネギの香りが移り、イカわたと味噌とネギが絶妙に調和。お酒がとまらなくなる逸品です。

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旬の食材がぎゅっと詰まった極上の土鍋ごはん。松茸や帆立などが入ったごはんや、秋刀魚ごはん、蟹と銀杏がたっぷりと入ったごはんなど、訪問するごとに季節を感じられます。旬の趣と、お米を中心とした食文化とが詰まった、まさに「日本の文化を食べる料理」です。

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おこん
http://www.okonn.com

 

取材・文 柏木智帆

【柏木智帆の〈お米が主役〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/chiho-kashiwagi/

 《プロフィール》

柏木智帆

フリーランスライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材活動をする中、生産の現場に立つために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたって千葉県で無農薬米をつくりながらおむすびのケータリング屋を運営。2014年秋からは消費や販売に重点を置くため都内に拠点を移して「お米を中心とした日本の食文化の再興」と「お米の消費アップ」をライフワークに活動。神奈川新聞契約ライター。「日常茶飯」をテーマにお米とお茶のお取り寄せサイト「和むすび」(http://www.wa-musubi.jp)を運営

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