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「本日もいい塩梅」 vol.47

総集編 ~日本の塩の素晴らしさ~:ソルトコーディネーター 青山志穂

2017.03.31

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日本の塩づくりは伝統文化

定期連載は今回が最後ということで、節目となる今回は、今までの連載を振り返ってみたいと思います。
「本日もいい塩梅」で、これまでに多数の日本の塩をご紹介してきた通り、日本には多種多様な塩があり、多種多様な製塩方法が採用されています。

これは、海外のように膨大な埋蔵量の岩塩や塩湖が存在せず、海水とほんの少しの地下塩水しか塩資源がない上に、高温多湿で平坦な沿岸が狭小という、製塩にはあまり適さない日本特有のことです。しかしながら、それがまた日本の製塩を伝統文化と呼ぶにふさわしいものにしてきました。

塩は、人間の生命維持に欠かせないだけでなく、工業でも幅広く活用されているため、経済発展に伴い需要が増えていきます。少ない塩資源と恵まれない環境の中で、いかにして効率的に塩を作り出していくのか、それにチャレンジし続けているのが、日本の製塩なのです。

Sio47-02最先端をいく日本の製塩技術

日本の塩の年間消費量は約840万t。それに対して供給量はおよそ110万tで、日本は塩の輸入大国です。110万tのうち、イオン交換膜を使用し、海水中からナトリウムを取り出して製塩された塩が約90万t、この連載で紹介してきたいわゆる自然塩と呼ばれてきた塩は、約20万tほどの生産量しかありません。

イオン交換膜を使用して製造される「精製塩」や「食卓塩」はなにかとワルモノにされがちですが、それなくして、日本の製塩は成り立たず、またこの膜技術は日本が世界一であり、海外にも広く輸出されています。

塩は、用途によって最適なものが異なります。選べるだけのバラエティがあるということが大切なのであり、「この塩はいい、あの塩はダメ」ということはなく、選ぶための知識を持つことが大切なのです。

 

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