針江のんきぃふぁーむの有機七色おもち・有機古代五色米:「お米が主役」vol.08 柏木智帆

2015.12.22


正月を華やかに 七色の小さなひとくちお餅

新年の食卓を華やかに彩る「有機七色おもち」。滋賀県の有機米農家「針江のんきぃふぁーむ」が作っている色とりどりの小さな愛らしい丸餅です。

「使っている糯米は、滋賀羽二重糯(しがはぶたえもち)」。のんきぃふぁーむ代表の石津大輔さんによると、「きめ細やかで粘りがあり、しっかりとしたコシがありながらも硬くなりにくい品種」。昔から「西の羽二重、東のこがね」と言われているように西日本では最高級の糯米に格付けされ、和菓子業者に重宝されているそうです。杵搗きのためお雑煮やお汁粉など熱々の汁物に入れても溶けてしまうことはありません。


七色のお餅は、糯米だけでつくった真っ白なお餅をはじめ、きびを混ぜた淡い黄色のお餅、赤米を混ぜることでうっすらと赤みがかったお餅、緑米を混ぜてほのかに緑色をしたお餅、黒米を混ぜた黒紫色のお餅。

そして、ちょっぴり珍しいのが、粉状の煎茶を練り込み草餅のような色をしたお餅と、赤唐辛子の粉末を練り込んだオレンジ色のお餅。使っている煎茶は、高級煎茶の産地として知られる京都府・和束町産の無農薬のもの。赤唐辛子は国産や韓国産、インド産とさまざまな品種で試作を繰り返した結果、現在は韓国産の無農薬赤唐辛子を採用しています。「韓国でつくられている赤唐辛子の品種が一番甘みを感じたからです。しかしながら、辛いものが苦手な方にはおすすめしません」と石津さん。赤唐辛子のお餅が合うのは辛い味つけやしょっぱい味付けだけかと思いきや、実はどんな料理にも活用しやすく、意外にも甘いお汁粉にも合うのだそう。箸休めの柴漬けや塩昆布のしょっぱさがお汁粉の甘みを引き立たせるように、どうやら辛さも甘みを引き立たせるようです。

煎茶のお餅もお汁粉に入れたりきな粉をまぶしたりして甘味として食べるのがおすすめ。黒米や緑米、赤米は玄米のまま糯米に混ぜているため、香ばしくぷちぷちとした食感が楽しいお餅です。



冷蔵庫に常備、牛乳瓶に入った鮮やかな古代米

カラフルなお餅に続き、「有機古代五色米」も食卓に彩りを添えるお米。2種の赤米、黒米、緑米といった古代米に、滋賀羽二重糯の白米をブレンドしています。お米一合あたり大さじ1、2杯を入れ、2時間浸水してから炊飯。白米がうっすらと色づきます。古代米はすべて糯米のため、もっちりとした仕上がりになり、プチプチとした食感も楽しめます。


すぐに炊飯したい場合は、古代五色米だけを小さな鍋で5分ほど茹でるという方法も。ごはんや雑炊、おむすびをはじめ、リゾットやパエリア、ライスサラダ、おはぎなど、幅広く使えます。古代五色米のほかに、「有機黒米」、「有機赤米」、「有機緑米」など、それぞれ単色の古代米商品もあり、黒米と赤米を混ぜたり、赤米と緑米を混ぜたりと、さまざまな楽しみ方もできます。

パッケージを手掛けたのは、デザイン集団「groovisions(グルーヴィジョンズ)」。小さな牛乳瓶の容器が可愛らしく、ギフトにも最適です。「今日の食卓はおかずに彩りが少ないなと思ったときに使うなど、特別なお米にせずに日常使いしてほしい」と石津さん。古代米150g入りの牛乳瓶のほか、900g入りの牛乳パックも。冷蔵庫に常備しておきたいお米です。


日常食に選びたくなる 生き物いっぱいの田んぼの恵み

日常食として食べてほしい。

石津さんがそう願うのは、古代米だけでなく、有機七色おもちも同様です。

「かつては、岩手県南部旧伊達藩領の一関をはじめ、年間通じてお餅が食べられていた地域もあり、滋賀県でも経済的ゆとりがあった人の昔の日記には一年間に餅の記述が200回以上も登場します。しかし、今ではお餅は冬のもの、正月のものというイメージが強くなり、お餅を食べる機会も消費量も減っています。たしかに夏場はあまり食べたいとは思いませんが…」

そこで、お餅をもっと気軽に食べてもらおうと商品化したのが、有機七色おもちでした。500円玉大と小さなサイズのため、小腹が空いたときなど季節を問わずに食べられそうです。「普段お餅を食べない人が、お餅を手に取るきっかけになれば。お餅は正月だけのものという認識を変えたいのです」と石津さんは言います。


針江のんきぃふぁーむの農法は、無農薬・無化学肥料。田んぼの風景を知ると、その真摯なお米づくりが感じられ、きっとこのお米やお餅を日常食として選びたくなります。田んぼを埋め尽くすほどのサギをはじめ、たくさんのカエルやバッタ、琵琶湖から遡上する鮒やナマズ…。生きものいっぱいの田んぼは、環境への負荷を最小限に抑えたお米づくりを体現しています。お米を育みお餅を加工する水は、平成の名水百選にも選ばれた「生水(しょうず)の郷 針江」の湧き水。風土の恵みを生かした、生命力に満ちたお米とお餅です。

※2015年12月25日〜31日まで、東京・新宿駅前の新宿タカシマヤ地下1階で有機七色おもちをはじめ、白餅、玄米餅、前日に搗いた生餅などを販売します。

 

■お問い合わせ
針江のんきぃふぁーむ
有機七色おもち / 有機五色古代米 瓶入り150g
価格:有機七色おもち 430円(税抜き) / 有機五色古代米・有機赤米・有機黒米・有機緑米 各640円(税抜)

http://shop.nonkifarm.com/

写真提供:針江のんきぃふぁーむ(2、5、6枚目)

 

取材・文/柏木智帆

【柏木智帆の〈お米が主役〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/chiho-kashiwagi/

 

 《プロフィール》

柏木智帆

フリーランスライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材活動をする中、生産の現場に立つために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたって千葉県で無農薬米をつくりながらおむすびのケータリング屋を運営。2014年秋からは消費や販売に重点を置くため都内に拠点を移して「お米を中心とした日本の食文化の再興」と「お米の消費アップ」をライフワークに活動。神奈川新聞契約ライター。「日常茶飯」をテーマにお米とお茶のお取り寄せサイト「和むすび」(http://www.wa-musubi.jp)を運営