井筒ワイン NACメルロー樽熟2012「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol.11 柳忠之

2015.12.23

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長野県産農産物のブランド力を高めるNAC

長野県に「NAC」という制度があります。NACとは、Nagano Appellation Controlの略称で、日本語に訳すと「長野県原産地呼称管理制度」です。

長野県のホームページをそのまま引用すると、「高い品質の農産物および農産物加工品を提供していくことで生産情報を消費者へ開示し、消費者への信頼を得ながら地域の振興を図ることを目的とした制度」。つまり、この制度で認定された農産物や農産物加工品は、その出自も品質も県が保証しますよ……ということです。それを消費者が認識することでブランド化され、生産者もモチベーションが向上するという好循環が生まれます。

NACの元ネタはフランスの原産地統制呼称「AOC」。特定の産地名を名乗るワインにさまざまな制限を設け、ワインの地域性をはっきりさせると同時に一定の品質を保証することを目的として、1935年から始りました。NACはフランスワインに精通した、田中康夫・元長野県知事が発案。2003年にまずはワインから始まり、その後、この制度は日本酒、米、焼酎、シードルにも広がっています。

 

専門家の官能審査をパスした確かな品質

NACの制度づくりには、世界最優秀ソムリエの田崎真也氏や、県内でワインを造り、のちにヴィラ・デスト・ワイナリーを創設する、エッセイストの玉村豊男さんが参加しました。長野県産のブドウを用い、長野県内で醸造されたワインであることはもちろんですが、ブドウ品種ごとに糖度の基準が決まっており、補糖の上限値も定められています。そして最終的に専門家による官能審査に合格したワインのみ、認定マークをつけることが許されるのです。

今年、国税庁によってようやく日本ワインの表示ルールが取り決められました。ところが長野県では10年以上も前から、自主的にこのような取り組みが行われてきたのですね。

 

メルローらしいまろやかな味わい

そのNACを高らかにラベルにうたうワインが、井筒ワインの「NACメルロー樽熟2012年」。長野県塩尻市の自社畑、および契約栽培畑で収穫されたメルローを醸造。フレンチオークの小樽で18ヶ月間熟成させたものです。

メルローらしい柔らかな果実味に、フレンチオークの香ばしさ。タンニンは柔らかく、スムースな飲み心地。まろやかな味わいはすき焼きや照焼きにしたマグロやチキンに合いそうです。

長野のワインを買う時は、このNAC、長野県原産地呼称管理制度の認証マークをひとつの目印にするとよいかもしれません。

 

3690円(税込)/井筒ワイン

電話:0263-52-0174

 

取材・文/柳 忠之

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