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漆黒板状の器、杉田明彦「Slate plate」

2016.03.27

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塗りにこだわって作られたプレーンな器「Slate plate」

「Slate(スレート)」とは粘板岩のこと。粘板岩はその形状から瓦や塀などの建築材料と活用されていました。「Slate plate」は、瓦や塀のようにフラットでプレーンな板状の器で、従来の器のイメージからはかけ離れていますが、あらゆる食材を美しく見せてくれる不思議な魅力を持っています。

作家の杉田明彦さんの出身は東京。大学で美術史を学んだ後、漆を使ったもの作りを志して輪島の塗師・赤木明登さんの下で修行、今は金沢を拠点にしています。アンティークや1点ものが好きと語る一方で、作品は漆=日本(和)の伝統、というとらえ方ではなく、グローバルな視点で、シンプルで普遍的なもの、漆でできる表現と日常使いできるものにこだわって製作をしています。

rd850_1603LIFE06_Slate plate2シンプルなプレートにギュッと詰まった伝統工芸技術

一見シンプルなプレートですが、どれも表情が違うのが特徴です。スレート皿の素材はカツラの木。素地(きじ)に直接漆を塗り、珪藻土の粉末を蒔いて付着させる<薪地(まきじ)>という技術で表情をつけていきます。漆を塗り重ねる過程で細かく隆起したところに漆が入り込み、より丈夫な器に仕上がるそう。隆起や漆の入り込み方が異なるため、同じ形でも同じものではない、1点ものに仕上がるのです。

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