本場を超えるジャパン・クオリティ。日本ビスポークの星たち

2016.05.06

 

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日本とナポリ。服作りに対する意識の違い

 日本の確かな技術と世界の伝統・文化が化学反応を見せた時、本場をも超えてしまう究極のジャパン・クオリティが生まれます。世界の顧客たちから絶賛されているビスポークテーラー「Ciccio」とビスポークシューズメーカー「Yohei Fukuda」は、その好例と言えるでしょう。

「Ciccio(チッチオ)」の上木規至さんは、日本屈指のスーツファクトリー「リングヂャケット」で4年間勤務した後、イタリアはナポリに渡り、ダル・クオーレ、アントニオ・パスカリエッロに師事。「縫製のクオリティや繊細さは、平均して日本は高い」と言い切る上木さんですが、なによりも服作りの意識が違うと感じました。

「日本ではみんな100点目指してやっているんですけど、ナポリでは“完璧なもの”というよりも、“美しいもの”を作るんだという意識が強いように思います。でも、美しいって、基準が難しいじゃないですか。ちょっとずるいなと(笑)」

ナポリのテーラーには、日本のように仕立ての設計図はなく、製造過程をどうしていくかは決まっていません。上木さんが、服作りでいちばん大切なことは何かと聞いたところ、それは「創造力」だと答える人が多かったといいます。“製品”というよりも、我々は“芸術品”を作っているのだという自負の表れといえるでしょう。

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