「多々納工房」が生み出すジャパンブルー「藍」の美しさ

2016.07.30

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江戸時代に確立された藍染めの技術、ジャパンブルー

「藍」は古くから世界各地で染色に使われてきた植物です。日本には6世紀ごろ中国経由で伝わり、「藍染め」は奈良時代から行われ、大きく発展したのは江戸時代になります。

まず乾燥した藍の葉を醗酵させて「すくも」と呼ばれるものを作ります。これを突き固めたものが「藍玉」です。江戸時代には阿波(現在の徳島県)が藍玉の一大生産地で、阿波から各地へ藍玉が輸出され、これを用いて染色が行われました。

そもそも「すくも」を作るのにも醗酵の程度を見定めるための職人技が求められますが、この後も大変です。

藍玉を水がめに入れ、これに灰汁を十分に加え、棒でよく突いて醗酵を促します。これは藍の成分を水に溶け出させて染色液を作るための作業です。醗酵によって強アルカリ性の染色液となりますが、醗酵の進み方によっては染色液がうまくできません。熟練の経験と技でpH(もちろん当時はそんな考え方も用語もありませんが)を見極めるわけです。醗酵を進め染色できるような状態にすることを「藍を建てる」「藍建て」といいます。

藍の美しさは海外でも高く評価されており、「Japan Blue(ジャパンブルー)」と呼ばれるほど日本を象徴する色でもあるのです。

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