日本人の頭に合う極上のフィット感「田中帽子店の麦わら帽子」

2016.08.15

明治から続く歴史ある伝統工芸品

埼玉県の東部に位置する春日部市。この地に、130年以上の歴史を持つ、麦わら帽子の工房があります。それが今回紹介する「田中帽子店」です。長い歴史の中で培われた伝統の技と、時代の流行を織り交ぜて作られる田中帽子店の麦わら帽子は、クラシカルでありながらもモダンな要素をも併せ持つ逸品です。


5代目が受け継ぐ伝統の帽子作り

田中帽子店は1880年(明治13年)に創業。当時手掛けた帽子は関東一円で販売され、明治期からの帽子文化発展に貢献します。その後、ドイツ製の手回しミシンを導入して機械を使っての帽子製造に着手。春日部を麦わら帽子の一大産地へと押し上げる一翼を担いました。その伝統の製造技術は、現在も5代目の田中英雄氏が継承。昔と変わらない手作りの技で、魅力的な帽子を生み出しています。

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田中帽子店の麦わら帽子最大の特徴が「フィット感」です。長年にわたり「日本人の頭にちょうどいい形」を追求し続けており、心地よさを感じる絶妙なフィット感を実現。そんな極上のかぶり心地を生み出す製造工程は大きく分けて、

・編んだテープ状の麦わら真田をミシンで縫い合わせて形を作る「帽体縫い」

・帽体の湿気を取り除くために冬の時期に行う「寒干し」

・帽子の形状を決めるためにプレスを行う「型入れ」

・内側の汗止めなどを縫い付ける「内縫い」

・リボンや羽根などの装飾を付ける「飾りはり」

という5つに分かれています。これらの作業は明治から現在へと受け継がれてきた伝統の工程。手作業で一つ一つ丁寧に行われています。

ちなみに帽体縫いでは、今では入手困難な古いミシンを修理しながら大切に使い続けており、技術だけでなく、道具も代々受け継がれているのです。

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