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半透明の艶やかな美! 約1300年もの歴史を持つ「若狭めのう細工」

2016.12.01

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奈良時代にまでさかのぼる若狭めのう細工の起源

福井県小浜市には「めのう細工」の伝統があります。「若狭めのう細工」は1976年(昭和51年)に伝統的工芸品に指定されましたが、その歴史は古く、約1300年前、奈良時代にこの地にやって来た渡来人「鰐(わに)族」によって始められた、といわれます。

鰐族は「玉(ぎょく)」を信仰しており、それがめのう細工につながったと考えられているのです。古代から玉は貴重な宝石として珍重されたことで知られています。玉はヒスイを指しますが、その深碧で半透明な輝きと艶やかな肌は、特に中国で愛好されてきました。鰐族は大陸の玉信仰を継いだ人々だったのでしょう。

めのうはしま状の模様がある鉱物ですが、これを丹念に磨き上げると、玉と同様に半透明な美しい輝きを持つ、滑らかで美しい肌合いとなります。また、光を当てるとその透け感が独特の美を見せてくれるのです。

めのうというと「赤色」というイメージがあるかもしれませんが、これは原石に熱を加える「焼き入れ」を行った結果です。焼き入れ技術は、江戸時代に高山喜兵衛(屋号は玉屋といいます)が広めたと伝わります。喜兵衛は大阪の眼鏡屋で奉公中に研磨法を習得。後に奥州津軽を訪れた際に、囲炉裏のそばに偶然置かれていためのう石を見て、焼き入れ技術のヒントを得たそうです。

繊細な輝きを放つ若狭瑪瑙細工は、江戸時代には根付けなどの装飾具、また装身具に使われ珍重されました。その後19世紀には工芸彫刻の技術が開発され、現代にまで継がれています。

 

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