和暦とともに楽しむ、日本の暮らし:和ライフキュレーター 佐藤智彦

2017.01.13

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日々発見に満ちた、自然の刻むリズムに寄り添う暮らし

子どもの頃には無限にあると思われた時間も、歳を重ねるたび、その早さに置いていかれるようになるのは何故なのだろう。

日々の慌ただしさの中に身を置いていると、その日一日を過ごすことに精一杯で、心の余裕を持てないまま流されるように生きてしまう。事実ボクも自分を見失うように20代・30代の時間を過ごしてきた。ところが40代に差しかかろうとした時、縁あって古い日本家屋に住むこととなり、時間や季節というものをそれまで以上に意識するようになった。

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毎年恒例、羽田空港隣の城南島海浜公園から眺める今年の初日の出。今年は雲の上からのご来光

昔の家は夕方になると容赦なく暗くなり、冬になると寒さは身に堪える。ところが春には次々と植物が花開いては梅の木にメジロが集い、夏には縁側を通り抜ける風が風鈴の音とともに涼を運んでくる。秋にはまさに「釣瓶(つるべ)落とし」といった日暮れどきの早まりを実感する。

こうした季節の移ろいに抗うことなく、自然の刻むリズムに寄り添うような家とともに生きることで、夏の簾を下げて扇風機の風にあたる心地よさ、冬のこたつに入ってみかんを食べる幸せな時間(ただし出られなくなってしまうことが難点だけれど…)など、ごく当たり前の日常を楽しむ心のゆとりが生まれてきたのだ。

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ここ数年、正月こそ地元にいるよう心がけている。元旦には氏神さまへの初詣

あらためて日本という四季に恵まれた国に生まれたことを感謝するとともに、今では日々の変化に少しだけ敏感となり、また、気にかけることがなんとも自分らしい生き方なのではないか、と思うようになった。

 

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