水をまいてひんやり涼しく! 古き良き日本の習慣「打ち水」とは

2017.05.08

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だんだん温かくなり、徐々に聞こえてくる夏の足音。暑い盛りには路地や店先、庭などに水をまく「打ち水」をする姿を見かけますよね。打ち水にはどのような効果があるのか、また打ち水はいつから始まったのかなど、今回は打ち水について詳しく見ていきましょう。

上記イメージの画像出典:frontriver / 桶 (from Flickr, CC BY 2.0)

打ち水の効果とは?

打ち水をすると得られる効果の1つは「涼をとれる」ということ。打ち水は、水の無駄遣いをしないために水道水は使わず、お風呂の残り湯、下水再生水、バケツに貯めた雨水などをひしゃくや手ですくって地面にまきます。まかれた水は蒸発して気体になる時に地面から熱をうばっていくため、地面の温度も下がるという仕組み。そして、打ち水をする際は涼しげな服装で直接水に触れることから、涼しさを感じられるという効果もあります。

また、打ち水は地面を湿らせることによって、埃が立つのを予防。花粉が飛んだり黄砂が吹いたりするシーズンには、「ベランダに打ち水して花粉が舞わないようにしました」「黄砂が飛んでる時期こそ打ち水が大切。乾かなければ飛ばないもの」といった報告もされています。

始まりは安土桃山時代

「打ち水」が始まったのは茶の湯が成立した安土桃山時代。当初は、茶室までの道や植木などに打ち水をして清めるという礼儀的な意味合いで行われていました。現代でも、場を清めお客様をおもてなしするために、掃除後に打ち水をする料理店もあるそうです。

江戸時代に入ると、現代と同じように暑さを和らげたり、埃を抑える手段としての打ち水が普及。江戸時代に美人画や風景画を手がけた絵師・渓斎英泉(けいさいえいせん)の「東都名所尽 愛宕山遠望図(とうとめいしょづくし あたごやまえんぼうず)では、打ち水をする町人の姿を見ることができます。

近代から現代に時代が下ると、扇風機やエアコンなどの普及、道路が舗装化されて土埃が減ったことなどから打ち水を行う人が少なくなってきました。しかし最近になって、ヒートアイランド対策や、地球温暖化の原因であるエネルギー消費を減らすといった観点から、打ち水が再び注目されることに。最近でも盛んに行われるようになっています。

「打ち水大作戦」が各地で行われる

2003年より毎年各地で行われているのが「打ち水大作戦」。打ち水大作戦とは、残り湯などの二次利用水を使って、集まったみんなでいっせいに打ち水をするイベントです。東京都港区では去年の7月半ばから約1カ月間、週に1回のペースで打ち水大作戦を実施。また港区に限らず、都内各地、新潟県、岐阜県、愛知県、大阪府、福岡県など広い範囲でも打ち水イベントが開催されました。参加者からは「大人も子どもも一緒になって打ち水! 盛り上がりました」「色々な国の留学生の子たちと浴衣を着て参加しました。楽しかった!」といった声が上がっており、好評だったようす。打ち水大作戦は今年も開催する予定なので、気になる人は自分の住んでいる町の情報を集めておくといいかも。

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