北斎真筆 江戸で出版されるはずだった『北斎漫画』が200年の時を超えてついに出版

2017.09.28

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世界有数の日本美術コレクションを誇るアメリカ・ボストン美術館で新に発見された『北斎漫画[肉筆未刊行版]』。200年の時を超えて、この度日本語版が出版されました。江戸後期の浮世絵師・葛飾北斎による『北斎漫画』は日本の「漫画」の元祖的存在。その自由自在な筆致は西洋画家に大きな衝撃を与えて印象派の誕生にもつながり、いまも世界中で愛されて続けています。門人がふえはじめ、全国の北斎の絵を学ぶものたちのための絵手本としてかき溜め、北斎が55歳の時の1814年に初編が刊行されると、大ベストセラーとなり、最終的に全15編が刊行されました。

今回刊行される『北斎漫画[肉筆未刊行版]』は、江戸当時になぜか出版されず、原画のまま和綴じ製本された画帖が全ページ収録されています。

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印刷するつもりであったことがわかる朱書き。誤記部分に赤字でチェックが入っている©2016 Museum of Fine Arts,Boston

北斎の肉筆画が綴られた通称「ボストン画帖」と呼ばれる3冊の画帖は、ボストン美術館の収蔵庫に眠る古い箱の中から発見されました。同館の学芸員たちによる調査の結果、これは『北斎漫画』の続編的企画として出版が予定されていた本の版下絵であることが推定されており、昨年、詳細な解題・図版解説を付して、アメリカで初出版されました。

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こちらも印刷を予定していたことが推測できる赤字。印刷位置を指定する赤字が入っている。©2016 Museum of Fine Arts,Boston

木版印刷による江戸時代の出版物は、絵師が描いた原画を元に、専門の彫り師が彫った線を印刷したものです。版下絵として使用された原画自体は木版の製作過程で切り刻まれ、残ることはありません。そのため世に出た『北斎漫画』は、厳密には北斎自身の線ではなく、原画(肉筆)は現存しません。ところが「ボストン画帖」は印刷物として世に出なかったことが幸いして、北斎の肉筆原画がそのまま残ることになったのです。

これまで誰も見たことのなかった北斎肉筆による『北斎漫画』の生原画を、美麗な5色印刷で忠実に再現した『北斎漫画[肉筆未刊行版]』は、まさに歴史的な出版です。

世界に誇る日本の天才絵師の筆による躍動する絵の数々を、ぜひその目でお確かめください。

 

『北斎漫画[肉筆未刊行版]』 
定価:3,900円(税抜)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309255828/

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