写真で見る古寺、古仏の美しさ。写真展「土門拳 古寺巡礼 モノクローム」1月5日より開催。

2016.01.03

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室生寺 弥勒堂釈迦如来坐像右半面相(昭和18年頃撮影)

 

リアリズム写真を生んだ巨匠、土門拳

「実物がそこにあるから、実物をもう何度も見ているから、写真はいらないと云われる写真では、情けない。
実物がそこにあっても、実物を何度見ていても、実物以上に実物であり、何度も見た以上に見せてくれる写真が、本物の写真というものである。写真は肉眼を越える —— 土門拳」

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平等院鳳凰堂大棟鳳凰撮影中の土門拳(昭和39年撮影)

 

“リアリズム写真”のジャンルを確立した写真界の巨匠、土門拳。もう一人の巨匠・木村伊兵衛と双璧をなし、日本の写真界に一石を投じた傑物です。土門の主義は、「絶対非演出の絶対スナップ」。戦前戦後の人々の暮らしや生き様をポートレートやスナップで生々しく映し出し、多くの人に衝撃を与えました。

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広隆寺 弥勒菩薩半跏像(昭和18年頃)

 

日本全国の古寺、仏像を写した写真集「古寺巡礼」

一方、日本の伝統文化にも深く傾倒し、日本全国の古寺、古仏の撮影をライフワークにし、写真集を発表。1963〜1975年にかけて発売された、全5冊からなる「古寺巡礼」は、その集大成ともいえる写真集です。

この度の写真展は、こうした土門拳のライフワークである「古寺巡礼」の中から、選び抜かれたモノクロームの静謐な作品を展示。実物を見たことがなくても、実物以上にその被写体の魅力を感じることができるでしょう。

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神護寺 金堂薬師如来立像面相(昭和15年)

 

土門拳の故郷、山形県酒田市へ旅する

酒田市名誉市民第1号となった土門が酒田市に全作品の寄贈を申し出たことをきっかけに、日本最初の写真館として土門拳記念館が設立されました(1983年)。秀峰出羽富士(鳥海山)を一望できる記念館には、彫刻家イサム・ノグチ氏が中庭に彫刻とベンチを、華道草月流三代目家元・勅使河原宏氏が庭園とオブジェを、それぞれに寄贈され、建築物としても一見の価値があります。

卓越した感性を育んだ土門の故郷、山形県酒田市の地を、写真展とともに楽しんでみては。

 

■お問合せ
「土門拳 古寺巡礼 モノクローム」
開催期間:2016年1月5日(火)〜4月10日(日)
電話:0234-31-0028
http://www.domonken-kinenkan.jp
写真提供:土門拳写真館

 

文/Makiko Inoue

 

 

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