男女の愛情表現が服の成り立ちに影響? 洋服・和服で「合わせ」が違う理由とは

2017.04.23

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様々なデザインのファッションが流行していますが、変わらず現代に受け継がれている習慣もあります。今回はその中でも、ボタンの位置や着物の衿などの「合わせ」に注目。普段何気なく身に着けている服にも、色々な成り立ちがあるんです。

上記イメージの画像出典:Mark Guim / Button Please (from Flickr, CC BY 2.0)

男女によって違う! 貴族の習慣でボタンの位置が変わった

洋服の場合、正面から見て男性は前ボタンが右手に、女性は前ボタンが左についています。右利きの男性なら簡単にボタンを留めることができますが、右利きの女性は「ボタンが留めずらいな」と感じる人がいるかも。

そもそもボタンは13世紀のヨーロッパで発明されたと言われています。当時のボタンは高級品だったため、ボタン付きの服を着ることができたのは上流階級の人たちだけ。自分の服を着替えることが多かった男性に対して、女性は使用人に服を着せてもらうことがほとんどだったようです。そのため、使用人がボタンを留めたり外したりしやすいように、女性は男性とは逆の左ボタンになったという説が有力なんですね。

着物の着方を法律で制定? 歴史が古い日本の合わせ

男女で合わせ方が異なる洋服とは違って、和服の場合は男女ともに「右前」が基本となります。しかしこの「右前」が曲者。着物に慣れていない人の中には、右前を“右が前”という意味に解釈して右側の衿(襟)を上にしてしまう人が少なくないよう。実はこの“前”とは“先”という意味で、右の衿を先に合わせることを意味しているのです。そのため、自分から見て左側の衿が上になっているのが右前です。懐紙を取り出す際に右手が取り出しやすいのが右前と考えると覚えやすいですよ。

和服において右前が定着したのは1,000年以上も前のこと。700年代に発令された「衣服令(えぶくりょう)」の中で「右衽着装法」と定められたことが起源と考えられており、「右衽着装法」とは必ず右前に着なさいという意味の法です。

また刀は右手で抜きやすいように左の腰に差すのが一般的です。もし着物を左前にしてしまうと刀に近い場所に衿先がきてしまうため、刀を抜く時に邪魔になってしまう可能性も…。そのため抜刀の邪魔にならないように右前が定着したとも言われています。

最有力説!? 男女の関係の違いが合わせに影響か?

洋服や和服の合わせについてはこれまでに紹介してきた理由が有力と考えられていますが、男女の関係という観点から考察した意見もあります。

洋服において女性が左ボタンの理由は、男性が脱がしやすいから。愛情表現に積極的な欧米では向かい合って愛情を確かめることが多かったため、愛を確かめる行為に移る際に男性が女性の衣服を脱がしやすいよう、男性とは異なる合わせになったという説です。

一方で日本では男性が後ろから女性を抱きしめた時に、女性の懐に手を入れやすいように右前になったという説。面と向かって愛の告白なんて気恥ずかしいので、後ろからそっと愛を囁いていたと考えている人が多いよう。

歴史的な根拠などはほとんどなく、都市伝説レベルの理由ではありますが、なぜか一番納得できる理由ですね。

 

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