第21回マンガ大賞を受賞した『花に染む』の題材・和弓とはどのようなもの?

2017.05.12

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日本のマンガ文化の発展・向上に貢献した手塚治虫氏の業績を記念した「第21回手塚治虫文化賞・マンガ大賞」に、くらもちふさこさんの『花に染む』が選ばれました。和弓を題材に扱った『花に染む』とはどのような漫画なのか、和弓の特徴とともに詳しく見ていきましょう。

 上記イメージの画像出典:投稿者名 / タイトル (from Flickr, CC BY 2.0)

和弓に魅せられた人々の人間ドラマ

『花に染む』は、弓道に魅せられた女の子・宗我部花乃(そかべかの)が主人公。弓道を通じて親しくなった比々羅木神社(ひいらぎじんじゃ)の次男・圓城陽大(えんじょうはると)とは親友の仲ですが、二人は中学生の時に起きた比々羅木神社の火事がきっかけで離れ離れになってしまいます。大学生になった花乃と陽大は再会しますが…というストーリー。

昨年の11月に発売された8巻をもって完結した『花に染む』には、「圧倒的読後感。圧倒的最終巻」「魔法のように最高だった」「最終巻まで読んでまた1巻から読むと、最初のシーンから号泣だわ」といった感想が寄せられています。くらもちさんの独特な雰囲気の世界観を好きだというファンも多く、マンガ大賞を受賞した際にはネット上に祝福の声が響きました。

1人で楽しめる武道・弓道

『花に染む』の題材として取り上げられた弓道は、老若男女問わず自分の体力に合わせて楽しめる武道。柔道や剣道などの武道では試合の際に組み手をする相手が必要になりますが、弓道の相手は静止不動の「的」ですので、自分との戦いになります。また、「当たらなければすべて原因は自分にある」という考えの弓道は、身体の鍛錬はもちろん精神面の修練にも役立つことが特徴。弓道に親しんでいる人からは「肉体を鍛えることがすべてじゃない。精神面が強くなる」「的に向かって射るには自分の精神のコントロールが出来ないと駄目。鍛えられる」という声が上がるなど、集中力と冷静さが重要な武道であるとされています。

職人の業が光る和弓

弓道で使う弓は「和弓」と呼ばれる弓。競技者の身長や競技の種類によって多少の長短は認められますが、全長221cmのものが基準となります。同じ弓を使う競技として知られるアーチェリーの弓は「リカーブボウ」「コンパウンドボウ」「ベアボウ」などさまざまな形がありますが、和弓の形は至ってシンプル。アーチェリーのように補助具をつけることも認められていません。職人さんがクサビを打ち込んで作りあげた曲線がしなって、大きな威力を生み出すのです。

飾り気のない和弓だからこそ、性能を発揮させるためには工夫や愛着が必要。特に、「成り」と呼ばれる弓の形は職人さんや素材によって違うため、購入の際には自分に合ったものを見つけるようにしましょう。

日本の伝統的な武道・弓道の魅力が詰まった『花に染む』。和弓に興味がある人はぜひ読んでみてくださいね。