伝統技法と現代アートにかけ橋を…。工芸と現代アートを繋ぐものたちの展覧会 開催中

2017.08.27

EYE OF GYREで9月27日(水)まで開催する「Japanese Kogei | Future Forward 工芸未来派 –Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ-」。工芸と現代アートを繋ぐ3名の作家達、桑田卓郎、木谷洋、見附正康による作品の展示が話題を呼んでいます。
工芸の特徴である素材と技法を活かしながら作品を制作する一方で現代アートを拡張する彼らの作品はそれぞれが非常に特徴的です。

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見附正康 Masayasu Mitsuke 《無題/ untitled》©Masayasu Mitsuke; Courtesy of Ota Fine Art

伝統的な技法を再解釈・再構成する見附正康氏は、九谷の絵付の技術をもとに制作し、発展させます。作品の姿は皿や器など。伝統的な赤絵の上絵付けの技法を使う見附氏の作品の特徴は、その線が生み出す絵画的なイメージです。抽象的でありつつも、まるでコンピューターグラフィックスで描いたかのような均質な線画は非常に緻密なもの。従来の工芸的な姿を踏襲しつつも新しい現代的なイメージを生み出しています。

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桑田卓郎 Takuro Kuwata 《垸/Bowl》2013 Photo by Kenji Takahashi ©Takuro Kuwata, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

茶道における美意識を工芸的主題の中心とするのは桑田卓郎氏。陶芸技法を用いる桑田氏の作品の中心をなす茶碗を基に「わび・さび」、あるいは「へいげる(ひょうげる)」といった日本的な独自の美意識を解釈し、漫画的、劇画的に誇張してカラフルでポップな茶碗や立体作品を制作します。同氏の作品は茶碗から巨大な立体作品まで幅広く、その制作ペースは留まるところを知りません。

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木谷洋 Hiroshi Kitani 《ワラスグリ/ Warasuguri》2016

金属工芸を学んだ木谷洋氏は、道具を中心的なテーマにします。かつて使われていた鍬や鋤などを象徴的にとらえて作品化していく木谷氏。そのプロセスには民俗学的な視点や道具のコスモロジー、あるいは神話学のような視点も交差します。制作された鍬はギャラリーで展示されると同時に実際に農作業でも使用されます。同氏は道具という観点から工芸に接近し、その本質をコンセプチュアルに解き明かそうとします。

技法材料を土台にしながら作品制作されたものを工芸と呼ぶならば、彼らの作品は工芸的です。その一方で制作過程においては自らの仕事に対して自覚的で、工芸を批判的にとらえているという点では非常に現代的。三名の作家達、そしてその作品は工芸と現代アートの双方の可能性を開き、拡張します。

 

Japanese Kogei | Future Forward 工芸未来派 –Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ-
期間:2017年8月23日(水)~9月27日(水) 11時~20時
会場:EYE OF GYRE / GYRE 3F
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-10-1

参加作家:桑田卓郎、木谷洋、見附正康
キュレーター:秋元雄史(東京藝術大学大学美術館 館長・教授、金沢21世紀美術館 特任館長、美術評論家)

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