クラウドファンディングで1,400万円を集めたクラフトカップ「Haori Cup」販売開始

2017.11.21

図1

アメリカのクラウドファンディングサイト「Kickstarter(キックスターター)」で2015年に$118,310を集めた「Haori Cup(ハオリカップ)」が日本国内で販売開始になりました。

図2

Haori Cupは、長崎県の波佐見焼と福岡県の博多曲物を組み合わせたフリーカップで、それぞれ異なる2 つの伝統工芸の特徴を活かした商品です。波佐見焼は薄造りで美しい無地の白磁を得意とし、手に持って光にかざすと指が透けるほど薄い磁器を量産できる技術力を持っています。しかし薄造りのカップは、液体の温度を指にダイレクトに伝えてしまうため、熱い飲み物が適さず、またその対策のためにマグカップのような取っ手を付けて作ろうとすると変形してしまいます。そのためカップに取っ手を付ける場合はカップそのものの肉厚を分厚くする必要があり、そもそも薄造りが成り立たないというジレンマがありました。そこで、熱伝導率が低い木材(国産杉)を原料とする博多曲物を活用して、薄造りの磁器にぴったりなスリーブをつくるという発想から誕生したのがこのHaori Cupです。

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その容量は、7-8分目でおおよそ180cc(一合)。フリーカップとしてデザインされているので、冷たいお茶やビール、日本酒などはもちろんのこと、温かいコーヒーやお湯割り、白湯などにもお勧めです。特に熱々の白湯を入れると、熱が曲物のスリーブに伝わってほんのりと杉の香りを楽しむことができます。曲物のスリーブには保湿/保冷効果もあり、Haori Cupは日常使いに最適な上、実用的なクラフトカップです。

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Haori Cup のデザインは、磁器のうつわが曲物の羽織ものを着ているように見える佇まい、つまり「見立て」から生まれました。この曲物を和装に見立てるデザインは、実は曲物の歴史とも繋がっています。 曲物は板状の木を曲げて、それぞれの先端部分を数センチ重ねるのですが、その際必ず左側(向かって右側)が上にくるように重ねます。これは着物でいう「右前」にあたります。(向かって左側が上にくる重ね「左前」は和装の世界では縁起が悪いとされます) 博多曲物は、福岡市東区にある日本三大八幡宮のひとつ「筥崎宮」の祭具として用いられてきた歴史があります。そんなハレの場に、縁起の悪い「左前」は好ましくないということで、昔から「右前」が仕様として定着しているという説もあり、長い歴史の中で、和装と曲物には精神的に深い繋がりがあるといえます。

図4

曲物にはオリジナルの焼印を入れることも可能。水引や千鳥格子など、8種類のデザインから選ぶことができます。

2015年、Haori Cupはアメリカのクラウドファンディングサイト Kickstarter で、伝統工芸の商品としては異例となる $118,310(当時のレートで約1,400万円)もの注文を集めました。実は博多曲物は明治初期には年間で3万個超も作られてきましたが、時代の変化により工房は減少していき、現在では博多曲物を掲げる工房は残すところ2軒だけとなっています。量産が難しくなっている曲物ですが、Kickstarterで調達した資金などをあて、1年半もの年月をかけて製造工程の効率化を実現。そして2017年11月20日より日本国内最大級のクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」でのクラウドファンディングに参加し、国内販売が実現しました。

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博多曲物と波佐見焼、2つの伝統工芸の技術、そして様々な形で関わる全ての人の思いがひとつになった「Haori Cup」。実用性はもちろんのこと、手に届くまでのストーリーにも魅力が詰まったクラフトカップはぜひ一度手にしてみたい。

 

クラウドファンディングサイト「Makuake」 Haori Cupキャンペーンページ

https://www.makuake.com/project/haoricup/