秋田夏瀬温泉 都わすれ:「プレミアム温泉」vol.25 石井宏子

2016.02.20

エメラルド色の川の畔に湧く温泉

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角館駅から30分、宿の車が無料送迎をしてくれます。とはいえ、その道のりは車1台しか通れない林道を6km。美しいブナの森を通り、エメラルドグリーンの湖を眺めて、ダートな道をひた走り、ようやくたどり着く一軒宿が、夏瀬温泉・都わすれ。晩秋の秘境の温泉は、静かな癒しのオーラが満ちています。わずか10室、そのうち9室に専用の露天風呂があり、部屋から数歩で自分だけのマイ温泉。やわらかな温泉に包まれて、エメラルド色の水がゆっくりと流れる川をぼんやり眺めていると、まるで夢の世界にいるようです。

日本の季節の移ろいをプライベートな温泉に浸かって感じる幸せがここにあります。初夏の都わすれは生き物たちのシンフォニー。鶯が「ホーホケキョ」、アカショウビンが「ピーヒョロロロロロー」、春蝉が「カナカナカナカナ」。川を渡る風がサワサワサワと葉っぱを揺らし、タンポポの綿毛がふわふわ。冬の森はモノトーン。川はロマンチックなアイスブルー色に見えます。音のない雪の世界に響く澄んだ鳥の声。温泉から立ちのぼる湯けむりに癒されます。

 

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