愛媛内子 オーベルジュ内子:「プレミアム温泉」vol.29 石井宏子

2016.03.17

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ゆらゆら揺れる和蝋燭の炎は強く儚く

日本の灯りは、そこにいる人の心までも溶かしてしまう魅力があります。この宿へどうしても出かけたくなる理由は、この灯り。かつて内子町を支えてきた産業のひとつが「木蝋」。後に「和蝋燭」という伝統工芸になって、現在は一軒だけになった大森和蝋燭屋で父と息子2人の職人が手仕事でつくっています。和蝋燭を灯す燭台も内子町唯一の鍛冶屋の児玉さんが、真っ赤に燃える鉄をたたいて、つくったもの。これがテーブルに置かれると、美しい夜の始まりです。この宿のディナーの灯りは蝋燭の炎だけ。次第に暮れていく時間とゆらゆら揺れる灯りを楽しむ、ここだけにしかない美しい夜です。

 

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