旅行

岡崎城と八丁味噌:「美しき城」vol.10 萩原さちこ

2016.04.04

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八丁味噌と岡崎城の深いつながり

「三河美やげ」という幕末の書物があります。大樹寺や矢作橋の修復のために江戸からやってきた市川某という役人が書き記したもので、工事の記録や関わった寺社の由来などのほか、三河地方で目にしたお店の看板、三河言葉、食べものの物価や風俗など、第三者から見た三河のあれこれが丹念に書き留められています。

その中に、岡崎の特産品である八丁味噌も描かれています。あまり知られていないのですが、実は八丁味噌と密接な関わりがあるのが岡崎城です。八丁味噌は、岡崎城から西へ八丁、870メートルほど離れた八丁村(現在の愛知県岡崎市八帖町)でつくられた味噌であることからそう呼ばれるのです。八帖村には現在でも「カクキュー」「まるや」の2軒の味噌蔵があり、変わらぬ製造を続けています。

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