今宵は、盆踊りのごく一般的な話:「今宵も盆悩まみれ」 vol.3 佐藤智彦

2016.04.15

 

rd850_20160415_anahachimangu
信仰と暮らしの中から生まれ、人に寄り添う盆踊り

盆踊りというと、賑やかな音頭と太鼓に合わせて踊る、華やかな祭りの雰囲気をイメージする方が多いであろう。ところが都内の佃島では、「念仏踊り」という厳かな踊りが江戸時代から継承されている。

そもそも盆踊りは、空也上人の像で名高い、平安時代の踊り念仏から発祥したといわれている。盂蘭盆会、いわゆるお盆での供養と結びつき、人々の暮らしの中に寄り添うように、時代や土地柄とともに発展し、現在進行中。その過程で華やかな衣装や鳴り物などの芸能的要素が強まったり、困窮した生活から自身を解放するはけ口となったり、時には風紀を乱すものとして抑圧されることもあった。それでも盆踊りは心の拠りどころとして全国に存在し続けている。

先の佃島のように、現在でも信仰の要素が強い踊りは数多く存在する。ところが秋田県の「西馬音内(にしもない)盆踊り」のように宗教性が強い中でも、歌詞に卑猥さやユーモアが溢れていることは、盆踊りが生活の中で育まれた文化である証拠であろう。

次ページ《CD・生唄種類は違えど、すべて受け入れる懐の深さ

 

Area