今宵は、絞り浴衣の話。京都新町通の藤井絞へ:「今宵も盆悩まみれ」 vol.7 佐藤智彦

2016.05.13

 

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雪花絞で業界をリードする、京鹿の子絞の雄・藤井絞

盆踊り会場の混雑の中、ひときわ目を惹くのは踊りの所作だけではなく、浴衣の着こなしが美しい人だ。特にそれが絞り浴衣を纏った方ならば、 憧憬というべき恋心にも似た感情を抱いてしまう。この想いを経験しているのはボクだけではないはずだ。

そんな女性の魅力を引きたてる絞り浴衣の代表格であり、「雪花絞(せっかしぼり)」とともに業界をリードするのが藤井絞だ。大正4年創業というから、今年で創業101年。四代目の藤井浩一社長に代替わりしてから、次々と革新的なことに挑んでいるらしい。そこでお話を伺ってみることにした。

京都ファッションの中心である四条烏丸からほど近く、町家が連なる新町通に藤井絞の本社がある。新緑のこの季節は本格的な浴衣シーズンの立ち上げということもあり、軒先は業者の方の出入りや出荷作業で活気に満ちている。そこで出迎えてくれるのが、堂々とした体躯に人懐っこい笑顔、誰にでも気さくに応対する藤井社長だ。

 

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