長篠城と鳥居強右衛門:「美しき城」vol.18 萩原さちこ

2016.05.30

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名門・武田家滅亡のきっかけに

歴史に疎くても、“長篠の戦い”はどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。そう、織田信長が“鉄砲の三段撃ち”で戦国最強といわれた武田軍の騎馬隊をノックダウンした戦いです。武田家はこの大敗戦を機に衰退し、滅亡の一途をたどることになります。

この戦いの舞台となったのが、長篠城です。もともとこの地域(現在の静岡県西部から愛知県東部)では、武田信玄・勝頼と徳川家康が数年にわたり熾烈な領土争いを繰り広げていました。長篠城も、徳川から武田、そして再び徳川へとめまぐるしく支配権が交代します。そして1575年(天正3)、勝頼が再び奪還を狙い攻めたてたのが長篠の戦いです。大軍に完全包囲された長篠城は、絶対絶命の大ピンチ。そこへ、家康の要請を受けた信長が登場し、長篠城を包囲する武田軍を設楽原におびき出して鉄砲戦で蹴散らしたというわけです。

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