32夜続いた郡上おどりが閉幕。今宵は、郡上八幡のおどり納めへ:「今宵も盆悩まみれ」 vol.24 佐藤智彦

2016.09.09

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秋の郡上八幡。今年の「おどり納め」は盛夏さながらの賑やかさ!

はじまりがあるものには終わりがある。当たり前のことながら、そのことを強く感じさせるのが、郡上おどりの「おどり納め」だ。今年は7月9日の「発祥祭」で幕を開け、町のさまざまな箇所で開催。8月13日から16日まで、お盆の四日間には「徹夜おどり」で多くの踊り好きを沸かせ続けた郡上おどり。計32夜にわたった「日本一長い盆踊り」も9月3日の「おどり納め」で閉幕した。

実はボクにとって、このおどり納めこそ最も感慨深い日であり、賑やかな発祥祭よりも、狂乱ともいえる徹夜おどりよりも、心へと残る印象的な体験なのだ。今年もその感動を味わうべく、今シーズン5回目の郡上八幡へと赴くことにした。

9月3日土曜、例年雨に見舞われることも多いおどり納めだが、今年は天気に恵まれた。開始となる20時には郡上八幡の目抜き通りである「新町通り」がたくさんの踊り客で溢れかえっている。まるで徹夜おどりを彷彿とさせる光景だ。

まずは「郡上おどり保存会ジュニアクラブ」による前座の演奏からスタートする。下は小学生から上は高校生まで、未来の担い手たちによる初々しくも頼もしいお囃子が踊り客を沸かせている。《かわさき》での「ア ソーレンセー」や《春駒》での「ホイ」といった掛け声には子どもらしさが溢れていて微笑ましい。

そして20時半、郡上おどり保存会の藤田会長による挨拶とともに、いつものように「郡上おどり保存会」のお囃子による踊りが開幕する。《古調かわさき》《かわさき》《三百》《春駒》《ヤッチク》……「袖振り合うも多生の縁」ならぬ、隣の人と肩が触れ合うような混み具合の中、曲が次々と進んでいく。秋の気配を感じる時期でありながら、熱気に満ちた踊り場はまさに真夏の様相で、あっという間に大汗となる。

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各々の想いを胸に、郡上八幡での最後の踊りと真摯に向き合う

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色鮮やかな浴衣は郡上おどりの特徴だが、おどり納めの日はこころなしか落ち着いた色合いの着姿が目立つ

そんな中、踊りの輪の中に多くの知った顔を見つけ、目で会釈をする。こうした楽しさもこの日で終わりだと思うと、少しでも話や乾杯をしたいと思って輪から外れてビール給水へ。そこでまた別の友人と会って会話が膨らみ、踊りの輪へ戻ってはまた知人と会い…と、踊りもさることながら、こうした仲間とのご縁に感謝しつつ、23時まで踊りを堪能するのだ。

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今年のおどり納めは徹夜おどり並みの人の数。三重の輪になって踊る

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新町の辻上に据えられたおどり屋形。「屋形送り」目前、お囃子にも熱が入る

 

次ページ踊りが終わると「屋形送り」へ。おどり納めのハイライトとなる

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