そこは盆踊りの楽園!今宵は墨田・牛嶋神社氏子町会の奉納踊りへ:「今宵も盆悩まみれ」 vol.26 佐藤智彦

2016.09.23

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秋の墨田は真夏以上の熱き日々!今年も祭礼の季節がやってきた

毎年9月に入ると「盆踊り」は「奉納踊り」と名前を変え、開催こそシーズンたけなわの8月や9月よりも少なくなるものの、より印象的で思い出深い踊りに出会うことが多い。中でも東京一「奉納踊り」が過密な範囲で同時開催され、華やかさとともに下町情緒を感じさせるのが、墨田区・牛嶋神社の氏子町会による奉納踊りだ。

墨田区向島の牛嶋神社は貞観2年(860年)、慈覚大師の御神託により創建されたと伝えられ、かつては最勝寺がその別当として管理していた。「牛の御前」として親しまれていた社名は、明治はじめの神仏分離後「牛嶋神社」と改められ、本所の総鎮守となった。

また、関東大震災後の隅田公園が設置計画に伴い、昭和に入ってから現在の地に移され、東京大空襲でも類焼を免れた「東都屈指の大社殿」や、全国的にも珍しい「三輪鳥居」、庶民に親しまれる「撫で牛(なでうし)」も名高く、江戸下町を代表する神社として鎮座している。

下町情緒溢れる牛嶋神社の社殿と神輿。奥には珍しい「三輪鳥居」と「東都屈指の大社殿」が見える

江戸時代から庶民に親しまれている「撫で牛(なでうし)」。 牛の同じところを撫でると病が治るとされる。文政八年(1825年)頃奉納されたものと伝えられる

さて、牛嶋神社氏子町会は、北は東京スカイツリーと押上、南は両国や錦糸町、西は隅田川、東は横十間川、およそ1km四方に囲まれた地域にあり、その数およそ50。今年は9月16日金曜・17日土曜・18日日曜の3日間祭礼を行った。
また、同じ地域には押上天祖神社や亀戸天神社があり、町会によってはこれら神社の氏子であったり、牛嶋神社と押上天祖神社双方の氏子であることもある。牛嶋神社と押上天祖神社、双方の氏子町会はみなこぞってこの時期に祭礼を行うのだ。

牛嶋神社氏子町会の提灯、向かって左手

牛嶋神社氏子町会の提灯、向かって右手

神輿や奉納演芸など、祭りの盛んな下町らしい多くの式典や催しが行われるものの、驚くべきが奉納踊りの数だ。およそ50もの町会のうち、30を超える町会が独自に奉納踊りを開催。これほど多くの奉納踊りが見られるのは、日本屈指といえどこの墨田区だけの光景だ。

 

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