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佐藤智彦の「今宵も盆悩まみれ」 vol.31

盆踊り閉幕。今宵は、べったら音頭大会、徳川園郡上おどりへ

2016.10.28

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江戸年末商戦の皮切りとなる「べったら市」が開幕!

盆踊りの開催を今か今かと待ち望んでいた春、いざシーズンに入って毎晩毎晩踊り続ける夏、そして秋の深まりを肌で感じられるこの季節。長く続いた盆踊りもいよいよ閉幕の時期となった。

10月20日には小伝馬町での【べったら音頭大会】が開催され、都内の盆踊りは閉幕。10月22日では名古屋・徳川園での【郡上おどり】が行われ、今年も「下駄納め」となった。

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べったら市の中心である宝田恵比寿神社の参道はたいへんな賑わいとなる

20161028_3べったら漬けの露天。糀の糖分で表面がべたべたすることが名前の由来とされる。かつては糀を手に「べったらだー、べったらだー」と道行く女性を囃し立てていたのだとか

毎年10月19日と20日の2日間、日本橋本町にある宝田恵比寿神社を中心に、日本橋本町3丁目から大伝馬町を中心とした旧大伝馬町一帯に「日本橋恵比寿講べったら市」が立つ。その名のとおり、大根を麹で甘く漬け込んだ「べったら漬け」を販売する露店を中心に、神棚や縁起物の物販や飲食の屋台がおよそ400から500も軒を連ね、その姿は圧巻だ。

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持ち運びには臭いが気になるべったら漬けだが、頑丈に包装してくれる店も多い

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べったら市のランドマークといえる、宝田恵比寿神社の大提灯

商業の神様として手厚く祀られている宝田恵比寿神社の恵比寿講にあわせ、べったら市が始まったのは江戸中期と伝えられる。第二次世界大戦によってこの市も中断せざるを得なくなるのだが、昭和22年には現在でもべっったら漬けを製造・販売する新高屋(にいたかや)を中心として再び復興。11月の「酉の市」や12月の「羽子板市」に先駆けた「べったら市」は、年末商戦の始まりであり、江戸下町の風物詩として愛され続けている。

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企業の名の入った提灯がずらりと並ぶ参道

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商売繁盛の神様ゆえ、奉納される提灯にはそうそうたる役者の名前も目立つ

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露天では本格的な料理を楽しめる店も多く、仕事帰りの会社員で賑わっている

なお15代将軍の徳川慶喜や昭和天皇、戦前・戦後の新派を代表する女形役者である花柳章太郎もべったら漬けを好んでいたそうで、花柳氏の「べったら市 今宵は温かき 月明かり」という歌からもその様子が伺える。

 

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