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「今宵も盆悩まみれ」 vol.35

2016年の盆踊り総括。記憶に残るユニークな会場・其の弐:盆踊りキュレーター 佐藤智彦

2016.11.25

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今年経験した盆踊りの中には、近年30年ぶりに復活したものも!

東京では54年ぶりの雪となった今週、季節はいよいよ秋も終わり、冬に入ろうとしているようだ。そんな時勢でも夏の話題にお付き合いいただければ幸いだ。先週に続き今週も、この夏経験したユニークな盆踊りについて、自分の記憶を頼りに整理したいと思う。

20161125-2岐阜・郡上市明宝、通りの眼下にある寒水(かのみず)白山神社の拝殿が舞台となる【寒水踊り】

20161125-3神社の拝殿にて、鳴り物を使わず踊り子の唄と下駄のリズムを頼りに踊る

*郡上明宝の山奥にこだまする拝殿踊り
【寒水踊り】8月6日(土)

岐阜・郡上市には郡上おどりや白鳥おどりを代表に、数多くの民踊が存在する。その中でも2013年8月に、郡上を代表するグルメであるハムの産地としても知られる郡上市明宝(めいほう)で、地元有志によって「復活」した踊りが【寒水(かのみず)踊り】だ。
元々地元の拝殿で綿々と受け継がれていた寒水踊りは30年以上途絶えていたというが、白鳥の拝殿踊り同様、神社の拝殿で一切の鳴り物を使わず、踊り子自らが音頭を取り下駄を鳴らして踊る、盆踊りの原点といえる踊りだ。

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拝殿の壁には歌詞の書かれた紙が貼られている

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寒水白山神社の拝殿。この場所での踊りはまさに盆踊りの原点といえる

寒水踊りには、「草津よいとこ〜」の歌詞で名高い「草津節」を原点とした《チョイナチョイナ》、「輪島出る時は涙で出たが ヤーハノヘー 今は輪島の風のいやよ」の歌い出しや、「寒水輪島はせわしき踊り ヤーハノヘー ひとつ飛んでは手を叩く」が印象的で、石川県輪島がルーツともされる《寒水輪島》、家を建てる地固めの際の作業歌だった《どじょ》といった曲が踊られる。

20161125-6さりげなくはじまる踊りは時間とともに人数が増え、やがて踊る場所もなくなるほど

残念ながら途中で踊りの輪を外れてしまったのだが、狭い空間で地元の方と触れ合いを持ちながら踊る、なんとも心温まる経験だった。

 

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