浜松城と徳川家康:城郭キュレーター 萩原さちこ

2016.12.05

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徳川家康が17年間を過ごした城

浜松城は、徳川家康の若かりし頃の居城として有名です。三河(現在の愛知県東部)の岡崎城(愛知県岡崎市)で生まれた家康は、織田家、今川家の人質として幼少時代を過ごし、1560(永禄3)年の桶狭間の戦いで今川義元が戦死したことをきっかけに独立。

織田信長と同盟を結ぶと三河を制圧し、遠江(現在の静岡県大井川以西)、駿河(現在の大井川以東)へと版図を広げていきました。遠江を平定した家康が、同じく駿河・遠江の侵攻を狙う武田信玄との戦いに備え、拠点とすべく築いたのが、浜松城です。岡崎城から浜松城へと居城を移した家康は1586(天正14)年までの約17年間を浜松城で過ごしました。

家康は、引馬城を改築して浜松城としました。現在、元城町東照宮のある場所が引馬城の本丸跡です。この地は三方ヶ原台地の東端にあり、当時は東西二手に分かれていた天竜川の西側を天然の堀として、北は犀ヶ崖へと続く断崖地形、東から南にかけては低湿地が広がる要害の地。家康は引馬城を取り込む形で西対岸の丘陵地に中心域を移し、さらに南へと拡張したのでした。

 

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