大正時代の雰囲気を色濃く遺す、和洋2つの庭園と洋館「旧古河庭園」

2017.05.20

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大正期の面影を遺す、国の名勝にも指定されている都立庭園

東京・西ヶ原。本郷通りからは、歳月を感じさせる石垣と白い壁しか見えませんが、ひとたび入口をくぐれば、そこには大正ロマンを感じさせる洋館と、美しい庭園が広がっていました。

国の名勝にも指定されている「旧古河庭園」は、もともと日本の初代総理大臣・伊藤博文のもとで辣腕をふるった陸奥宗光の邸宅があった土地でした。その後、宗光の次男が古河家の養子となったことで、3代目の当主・古河虎之助が隣接する土地も購入し、本宅を建設します。これが、現存する洋館と、和洋2つの庭園の「旧古河庭園」です。

洋館と洋風庭園は、イギリス出身の建築家、ジョサイア・コンドル氏が手がけています。氏は日本政府との契約で来日したお抱えの建築士で、鹿鳴館やニコライ堂などを設計しました。現在の東京大学、建築学科で教鞭を執り、多くの日本人建築家を育てた、日本の近代建築界にとって父親のような存在でもあります。

第二次世界大戦中は、洋館が将校用の宿舎として利用されていた時期もありました。戦後は財閥解体にともない、所有が古河家の手を離れて、国のものになりました。現在は庭園を東京都が借り受け、150円の入園料(65歳以上は70円、小学生および都内在住・在学の中学生は無料)を払えば、誰でも見学できるようになっています。

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申し込めば内部も見学できる、大正ロマンあふれる「洋館」

旧古河庭園は、昭和31年以降、東京都の管理下に置かれ、都市公園として開園しました。しかしながら、その契約は土地と付属物のみで、洋館は対象に入っていなかったため、その後、30年近く整備されないまま放置されてしまいます。昭和57年に文化財として指定されると、洋館の整備が始まり、「(公財)大谷美術館」が管理することになりました。

洋館は、地上2階、地下1階の構造で、応接室やビリヤード場、食堂などを有しています。1階の食堂と応接室は喫茶室として開放されており、平日は13時から、土日祝日は11時から16時半まで利用可能です。

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館内のそれ以外の場所は、「見学会」に申し込むことで、入館料800円で閲覧ができます。設立当時を感じさせる部屋のデザイン、装飾や家具など、大正ロマンが好きな方にはたまらない雰囲気です。見学会は原則、往復ハガキによる事前申し込みが必要です。予約が少ない場合は当日募集もあるそうですが、確実に参加したい場合は事前に予約しておきましょう。

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また、こちらの洋館では、貸し切りで結婚式を挙げることもできるそうです。アンティークな家具や調度品に囲まれての挙式は、新婦をお姫様や貴族のご令嬢のように演出してくれそうですね! なお、洋館での結婚式は、設備の関係で開催できる期間が決まっているので、詳しくは(公財)大谷美術館の公式サイトをご確認ください。

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5月に開催される「春のバラフェスティバル」

洋館と並ぶ、もう1つの見どころである庭園の中には、洋風庭園と日本庭園の2種類があります。洋風庭園は前述のとおり、洋館と同じコンドル氏の手によるものですが、日本庭園は京都の庭師、七代目小川治兵衛が手がけました。同氏は平安神宮や京都御所、無鄰菴などを作庭した、近代日本庭園の祖と言われる名人だそうです。

2つの庭園は地続きになっており、洋館に近い洋風庭園がまず造られ、その後に日本庭園が造られました。和洋2つの庭園が一度の散策で楽しめるのがうれしいですね。5月には「春のバラフェスティバル」が開催され、色とりどりのたくさんのバラが咲き誇る洋風庭園は、まるで外国に来たかのように感じますよ。5月12日(金)から21日(日)のあいだは、バラと洋館と日本庭園がライトアップされ、開園時間も21時までに延長されます。この機会に訪れて、日本を代表する建築家と庭師が手がけた洋館と庭園、そして咲き誇るバラを堪能してください。

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■お問い合わせ
旧古河庭園・大谷美術館
住所:東京都北区西ヶ原1-27-39
TEL:03-3910-0394(庭園:旧古河庭園サービスセンター)/03-3910-8440(洋館:(公財)大谷美術館)
入園料:一般150円、65歳以上70円(5月4日のみどりの日と10月1日の都民の日は無料)
洋館見学会入館料:800円
休園日:12月29日~1月1日(洋館は年末年始と7月~9月、12月~2月の月曜は休館)
http://teien.tokyo-park.or.jp/contents/index034.html(旧古河庭園)
http://www.otanimuseum.or.jp/kyufurukawatei/(洋館・(公財)大谷美術館)

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