聖地・熊野特集Vol.3 熊野の美しい祭り

2015.11.25

rd850_お灯祭り開門
男たちが命をかける、熊野の火祭り

これは熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)の摂社、神倉神社で毎年2月6日の夜に行われる「お燈祭り」の様子。古代から熊野の山をかけめぐった山伏に由来するもので、地元の男たち2000人が火の洗礼を受けるため、白装束と注連縄に身を包み、御神火を灯した松明を持って急峻な山の石段をかけおりるという、命がけの祭りです。無数の火が闇を切り裂き、波のように大きくうねりながら石段を流れ落ちていく様は、竜の姿を彷彿とさせます。その様は、新宮節で「お燈まつりは男のまつり山は火の滝、下り竜」とうたわれています。

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上の写真は、7月14日に行われる熊野那智大社の例大祭「那智の扇祭り」で、那智の滝を御神体にもつ飛瀧神社へ向かう途中、那智の滝の参道で十二体の扇神輿を大松明の火で迎え清める場面。巨大な松明を担いでいく熊野の男たちの勇壮さは素晴らしく、日本三大火祭りの一つとしても知られています。

 

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古代から続く、幻想的な神事

また、熊野本宮大社の祭りでは「八咫烏神事」や「湯登神事」などの祭りが知られています。別名「宝印神事」といわれる八咫烏神事は、国家攘災、国民除疫を祈願し、午王神符を神前に献じて祓い清める祭り。闇に包まれた社の入り口で、松明に火を灯して厳かに祈願される様は、古代の神事を彷彿とさせる幻想的な光景です。

 

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稚児の頭に熊野の神が宿る

湯登り神事は、熊野本宮大社例大祭の初日に行われる祭り。宮司以下の神職者約50名が稚児を肩車し、太鼓に合わせて神歌を歌いながら熊野本宮大社から湯の峰温泉へ向かいます。斎屋(ゆや)についたら、稚児と一緒に湯垢離で身を清め、湯粥を食べ、湯の峰王子で稚児に神を憑依させる八撥神事(やさばきしんじ)を行った後、最後は大斎原へ移動して終わりを向かえます。

ここで紹介したほかにも、熊野三山には美しい祭りが数多く存在しています。山深い山岳地域だからこそ誕生した、魂を揺さぶるような祭りの数々を、熊野の地で体験してみてはいかがでしょうか。

 

Text/Makiko Inoue
写真提供/熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社

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