山形の魅力を五感で味わう温泉旅館。リニューアルした山形座 瀧波へ《前編》

2017.11.05

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東京駅から赤湯駅まで、新幹線で2時間半足らず。交通至便な山形県南陽市赤湯温泉にある老舗温泉旅館「いきかえりの宿瀧波」が、今年10月、「山形座 瀧波」と名前も新たにリニューアルし、グランドオープンしました。

プロデュースしたのは、新潟県南魚沼市で温泉宿「里山十帖」を運営するライフスタイル誌出版会社「自遊人」。ハード面においてはリノベーションを全面的にディレクションし、ソフト面では「山形座」というコンセプト立案とネーミングを行うだけでなく、スタッフの教育にも力を入れ、新たにさまざまな研修を受けさせるという徹底ぶり。料理においては幾度にもおよぶ試作と試食を繰り返し、旬の食材を主役にした独自のスタイルへと導きました。

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さらに、全19室の客室には源泉かけ流しの露天風呂を設置。まったく新しく生まれ変わった「山形座 瀧波」には、開湯920余年となる山形 赤湯温泉の長い歴史、文化が息づくだけでなく、古今東西の美が不思議なハーモニーを奏でながら共存しています。

例えば、伊達政宗由来と言われる荘厳な茅葺門をくぐると、目の前に現れるのはこちらも威風堂々とした本館の建物。築350年の上杉藩大庄屋の曲り家を移築したもので、素晴らしい日本建築の威容を誇ります。ところが一歩館内に足を踏み入れると、広大なロビー空間を飾るのは北欧家具の名作スワンチェアやペーパーナイフソファ。和のしつらえと北欧のモダン家具が見事にマッチングする様は、そうと知らなくても快く感じるもので、時代やスタイルを超えた、本物ならではの共鳴する価値があることを教えてくれます。日本の様式美と欧米の名作家具のマリアージュは、他の公共スペースや客室内など、館内の随所に見受けることができます。

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宿の7代目当主となる須藤宏介さんは、今回の大規模なリニューアルについて、こう語ってくれました。「山形の宿として、『山形を発信する』という考えを特に重視しました。これまでは、お客様のニーズにどうお応えするかに注力してきましたが、オンリーワンの存在を目指し、いまはこちらからの提案をより重視するようになっています。具体的には、チェックインされるお客様を特産品のずんだを用いた『ずんだシェイク』のウェルカムドリンクでお迎えし、一息つかれた頃に、お客様にもご参加いただける花笠音頭のパフォーマンスでおもてなししています。夕食前には、当館の新しい名物である十割蕎麦の蕎麦打ち鑑賞、山形の銘酒解説を行うなど、単に宿泊するだけでない、体験としての思い出づくりをご提案しています」。

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そうした体験提供のひとつとして、朝には宿のガイド、外でのコーヒータイムも含めた 十分一山の雲海見学カフェを実施。神秘的な雲海越しに、日本百名山に数えられる蔵王、吾妻、飯豊、朝日連峰が目の前に現れると、参加者たちはめいめいに感嘆の声をあげていました。「これからはさらに、山形の豊かな自然と触れ合えるようなアクティビティやツアーを企画していきたいですね」。爽やかな朝の光の中、須藤さんはそう笑顔で話してくれました。

後編では、山形座 瀧波の料理についてレポートします。どうぞお楽しみに。

 

山形座 瀧波

山形県南陽市赤湯3005

tel. 0238-43-6111

http://takinami.co.jp