旅行

熊本県奥満願寺温泉 旅館 藤もと:「プレミアム温泉」vol.14 石井宏子

2015.12.12

 

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阿蘇の絶品肉料理と静寂の露天風呂

この宿の夜の温泉が好きです。わずか8室の宿なのに、大浴場と露天風呂、さらに趣が異なる貸切風呂が4つもあるので、泊まってみると温泉で他のゲストに出会うことはあまりありません。

この切石の露天風呂は2つの湯船に段差をつけて、じっくりつかれるぬるめの湯とぐぐっと深くまで温まれる熱めの湯になっています。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉、大地のミネラルたっぷりのうす濁りの温泉に首まですっぽりとつかって、こくこくと深まる夜の静寂を愉しむ、そんな時間がこのうえない贅沢です。気がつけばすっかり夜が更けて、あとは布団にもぐりこむだけ。

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溢れる肉汁と旨味たっぷりべっぴん野菜

夕食の名物は「セイロ蒸し料理」。宿の先代が精肉店を営んでいたということもあり、この宿の肉料理の美味しさは格別、熊本ならではのブランド牛「肥後牛」と「ハーブ豚」に野菜を敷いて木箱で蒸すことで肉汁と旨味をたっぷり閉じ込めます。下段には25種類もの地元野菜が宝箱のようにぎゅぎゅっと詰まっていて、これがまた絶品なのです。

ふたり旅なら迷わずこのメニューをおすすめしたいのですが、熊本ならではの肉をしっかり堪能したい時にはメイン料理を「あか牛・黒牛選べる厳選肉のステーキ」に。旨味と食べごたえで話題のあか牛か霜降りジューシーな黒牛、どちらも元精肉店・藤もとだからこそ手に入る極上の美味しさ。ここまで旅してやってくる意味のある逸品です。

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朝は爽やかな渓流露天風呂へ

川の水面ぎりぎりに作られた露天風呂。手を延ばせば川に届くほどの場所にあります。朝はこの温泉が特等席。川の音、鳥の声、わずかに炭酸味を感じる温泉で少しずつ眠っていた体が目覚めていきます。

この宿は実は朝食も有名。ずらりと並ぶ小鉢料理はいったい何種類あるのでしょうか?「下ごしらえに全力を尽くす」この言葉の深さをしみじみと感じる朝ごはん。野菜、山菜、豆など、その季節だからこそ手に入る土地のものを集めて、ひとつひとつ丁寧にこしらえたお惣菜。コレ食べてみたかったとか、なんだか懐かしいとか、誰もが笑顔になって会話が弾んでしまいます。あーでもないこーでもないと楽しみながらおかずを選んでテーブルにつくと、さらに運ばれてくる熱々ふわふわのだし巻玉子や炊きたてごはん。ホットでいただく阿蘇の牛乳はその甘味に驚きます。この朝食が食べたくて、また泊まりに来るというリピーターも多いのです。

 

奥満願寺温泉・旅館 藤もと
http://fuji-moto.com/

 

取材・文・写真/石井宏子

 

【石井宏子の〈プレミアム温泉〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/hiroko-ishii/

【石井宏子の〈ここにしかない日本〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/hiroko-ishii_reports/

 

石井PP3《プロフィール》

石井宏子 

温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト

温泉の美容力を研究する日本でただひとりの温泉ビューティ研究家。生涯旅人の人生をスタートして年200日ほど日本・世界を旅する。雑誌やサイトなど多数の 連載コラムを執筆、テレビ・ラジオにも出演。温泉地の自然環境にも着目し、ドイツにて「気候療法士」資格を取得。温泉、水、自然環境、食事など旅を通じて、心も体もきれいになる新しい旅“ビューティツーリズム”を提唱。外資系化粧品会社、海外ブランドのマーケティング・広報の経験を生かし、温泉地のブランディングや企画もサポート。プレミアムジャパン“PREMIUM JAPAN”のトラベル・キュレーターに着任。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会 員、日本旅のペンクラブ会員、公式サイトhttp://www.onsenbeauty.com

 

 

 

 

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