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奄美に魅せられた“昭和の若冲”渾身の作をついに公開。「初公開 田中一村の絵画」展で「アダンの海辺」を特別展示

2018.09.03


岡田美術館は欧米人向けホテル「開化亭」の跡地に建設された。

2018年4月6日(金)から箱根・小涌谷の岡田美術館で開催されている「初公開 田中一村の絵画」展。9月24日(月)の閉幕を前に、1ヶ月間の限定で最高傑作の呼び声高い「アダンの海辺」を特別に展示しています。 

田中一村は、東山魁夷と同時期に東京美術学校(現・東京藝術大学)へ入学しますがすぐに退学。中国画や文人画、琳派の作風を取り入れつつ、独自の画風で細密な花鳥画を描いた画家です。画壇からは距離を置き、50歳で奄美大島に移住してからは熱帯の動植物を鮮やかな色彩で濃密に描き、後に“昭和の若冲”と称されました。

一村は、ひとつの作品を仕上げるのに2〜3ヶ月かけてじっくり取り組み、満足できないものは破棄したとも言われていて、奄美で描いた作品は30点ほどが現存しているのみです。その中でも今回の展覧会では、本人にして『閻魔大王えの土産品(原文ママ)』と称する最高傑作「アダンの海辺」を8月24日から特別に公開。半年近くを費やし、命を削って描いた渾身の作で、優美に葉を広げるアダンの木と、浜辺の砂一粒一粒の表現に圧倒されます。生前は高い評価を得ることはなかった一村ですが、生命力みなぎる作風やチャレンジングな生涯に関心が集まり、近年その作品の人気が高まっています。

今展覧会では、一村と伊藤若冲、東山魁夷の作品を比較しながら鑑賞できることも魅力。近年ブームとなっている伊藤若冲の作品と類似点を見出し、一村と同年代の人気画家である東山魁夷の作品と比較することで、彼の人生に思いを馳せることができるのです。

対象物をじっくりと凝視することから生まれる緻密な表現。南国の植物や動物たちの鮮やかな色や形の繊細さ、奥深さを実感できる田中一村の作品世界へ、箱根から旅してみるのもいいですね。

 

◆初公開 田中一村の絵画―奄美を愛した孤高の画家―
場所:岡田美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
会期:2018年4月6日(金)〜9月24日(月・祝)
時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般・大学生2,800円、小中高生1,800円
庭園入園料:300円
美術館公式サイト:http://www.okada-museum.com/