くすっと笑えると評判の「動く浮世絵」。作家もちょっと面白い!

2017.01.22

浮世絵は「笑えるアニメーション」が作れる最高の元ネタ

GIFアニメーション投稿サイト「GIFMAGAZINE」内の楽天公式チャンネルに掲載された「市場」。商品はドローンで配送?

そんな瀬川さんにとって浮世絵は「リスペクトはしているが、浮世絵そのものに強い思い入れがあったわけではない」のだとか。浮世絵を選んだのには、制作上の理由があった。
「僕は絵が描けないから、ベースになる素材が必要だったんです。その点、浮世絵はぴったりだった。古い時代の浮世絵は版権が切れているから、自由に使える。しかも浮世絵は輪郭線で囲まれているので、アニメーションに加工しやすいんですよ」

そして、笑いを取るための“元ネタ”としても優秀だった。

「江戸の風俗が描かれた浮世絵って、当時の人の暮らしとか、登場人物のキャラクターとか、いろいろなストーリーや背景が想像できる。“突っ込める余地”があるんですよね。もともとのポーズなんかもデフォルメされているから、GIFのカクカクした動きもマッチする。僕、なめらかな動きのアニメーションを作る技術なんてないですから(笑)」。

元の絵をどう加工して、どこで笑いを取るかが、腕の見せどころ。
「江戸時代の生活や風景の中に、現代の小物や風俗を加えることで、どこか違和感を感じたり、登場人物の生活や背景を想像させたりする。そこから笑いが引き出せたらな、と」。

例えば、赤穂浪士の浮世絵がベースの『時給』は、「赤穂浪士→年末→年末バイト」という連想ゲームのような発想から生まれた作品。元の絵にない新たに加える部分は、自分で撮影した動画をベースに、アニメーションに加工する。

「ほんと手作業なんです。『市場』で走っている模型の電車部分は、従兄弟の家でプラレールを組んで、コマ撮りしたんです。こういう部分が意外と大事で、人に任せると、微妙にイメージが違ってしまう。全部ひとりでやってると、量産はできないんですけど」。

最近は、ネット上に掲載するGIFアニメーションのほか、舞台演出で使用される映像作品なども手がけているのだとか。

「実写とアニメを組み合わせたりしても、不思議な効果が出て面白いと思うんです。クスッと笑えるものから、できたら大爆笑が取れるような作品まで。いろいろ試してみたいと思っています」


ショッピングモール「アリオ北砂」で展示された「時給」。吉良邸襲撃を前に、資金不足に悩む赤穂浪士が、年末バイトに励んでいます。

 

■お問い合わせ
瀬川三十七(作品紹介サイト)
http://segawaatsuki.com/
瀬川三十七(Twitter)
https://twitter.com/SegawaAtsuki

 

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