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プレミアムジャパン・アートプロジェクト<建築家シリーズ> Vol.18

想像力がもつ変革の力を信じる建築家、海法 圭(後編)

2017.02.25

(6)_MG_0663-min空想と現実は対立ではなく相互補完的な関係

このほかにも海法はマンションのリノベーションや店舗のデザインなど幅広い活動を展開している。また海外では集合住宅の建設プロジェクトも進行中だ。壮大な都市計画的なプロジェクトでも、リノベーションのような小さなプロジェクトであっても、彼は常に空想と現実のあいだを行ったり来たりしながら提案を考えるという。

「空想というのは、現実とパラレルに存在していたはずの世界からヒントを得るというやり方です、しかし空想するといっても、自分ひとりの想像力には限界があります。現実はその限界を乗り越えるステップとして捉えています。従って空想と現実は対立的な関係にあるのではなく、相互補完的でポジティブな関係なのです」

空想を大事にすることは、現実とパラレルな関係にある世界を想定し、そこに存在したかもしれない他者への思いやりや、現実には存在しないものに対する想像力を育むことに繋がるという。逆に空想を無視することは、それらへの想像力を損なうことになる。

海法は実際の空間やプロジェクトのイメージを通じて、想像力を損なうことへの抵抗を呼び覚まそうとしている。想像力が持つ変革の力を信じて社会と結びつく彼の建築の今後に期待したい。

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【プロフィール】
海法圭(かいほう・けい)
1982年生まれ。2004年東京大学工学部建築学科卒。2007年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。2007〜2009年西沢大良建築設計事務所勤務。2010年海法圭建築設計事務所設立。2014年より東京大学建築学科非常勤講師。2016年より芝浦工業大学非常勤講師。
http://kaihoh.jp/

取材・文/鈴木布美子、撮影/岸本咲子、コーディネート/柴田直美

 

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