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第16回:ディープ・ジャパン・トリップ「二つのラグジュアリー:アマン東京のイタリアン&アマネムで食す海鮮丼」

2018.08.12
アマン8

 

温泉水を利用したアマン・スパは、外にも癒しの空間が広がる

 

グジュアリーホテルの世界で、王者リストの筆頭に立つと言われるのが、アマン。その昔、バリ島に旅した際には、泊まらなくとも、必ず立ち寄らねばーーという場所でした。忘れられないのは、大空との境目が溶けて消えてなくなりそうなインフィニティ・プールを見て感動したこと、そしてショップで見つけた美しいバロックパールのバングルを思わず買ってしまったこと。

アマンは現在20カ国で33のリゾートやホテルを有していますが、日本には、東京の大手町のアマン東京と、三重県の伊勢志摩にあるアマネム、の二つのアマンがあります。アマンとは、サンスクリット語、ヒンドゥー語、パンジャブ語、アラビア語、ウルドゥー語、ペルシャ語で、「平和、安心、無事、宿、保護」を意味するそうです。つまり、観光や旅という意味合い以上に、身を寄せる癒される場所、というような意味合い。まさに隠れ家リゾートの極み、を感じさせる場所なのでしょう。

の日本での両アマンにて、ランチをいただく機会をつい最近、得ました。まずは、アマン東京。大都会というロケーションにできたアマンとしては、世界で初めて、ということです。ここで感じる一番のラグジュアリーは、空間です。33階という中空に位置するロビーラウンジの吹抜は、なんと約30メートルに及ぶ!フロアーに降り立つなり、いきなり、巨大な空間に出迎えられるのですが、そのスケール感は、例えば、ギリシャのパルテノン神殿やエジプトのピラミッドなどを想起させます。

ランチをいただくイタリアンレストラン「アルヴァ」でも、着席して感じるのは、はるかかなたの天井。8メートルという天井が、静かにしてダイナミックな空間を生み出し、東京の街並みを見下ろす眺望をラグジュアリーに演出する。決して派手な装飾があるわけではない。空間演出はあくまでシックで静か。であるにも関わらず、この空間に身を置くだけで、圧倒的な“ラグジュアリー”な空気を体験できるーーそんな感触です。

平木シェフ自らが、木製の桶で手作りするアイスクリームが味わえる

ェネツィアの5ツ星高級ホテルで総料理長を務めるなど長年イタリアで腕を磨いてきたシェフ、平木正和氏が自ら腕を振るうイタリアンは、素材の旨味や季節感を最大限に生かし、丁寧に心を込めて作られます。まさに、大地や森、海の風のそよぎを感じさせる豊かなアーバンランチを、じっくり時間をかけながら味わいました。

  
海の幸、山の幸を生かした極上の芸術的イタリアン

その後、三重県の伊勢志摩に誕生したアマネムを訪ねました。名古屋から乗り換えて、約2時間余り。伊勢志摩国立公園内の豊かな自然の中に埋もれるように建てられた、木の風合いを生かしたシンプルでシックなリゾート空間です。各スイートには天然温泉が引かれ、インフィニティ・プールや、温泉水を利用したサーマル・スプリングがあるアマン・スパもあります。ここで過ごす自然に包まれた時間こそが、まさに“ラグジュアリー”であると感じます。

こちらのダイニングスペースでいただくランチは、海を眺めながらの贅沢なひと時だが、私が選んだのは、その名もアマネム海鮮丼。

  
魚介が美しく宝石のように盛り付けられた海鮮丼            添えられたご飯、新鮮な卵とともに海鮮丼を堪能

しく盛り付けられたお刺身は、まるで花束のよう!であり、海の風景と合間っていただく味わいは、言葉では表現し尽くせない体験。アワビや海老、鯛など、まさに「御食国(みけつくに)」の底力を感じさせるものであり、盛り付けの風情も美しい。リゾートの空気に包まれて、のんびり、会話を楽しみながら海の恵みをいただきました。

自然が見渡せるダイニングスペース

 

国立公園の自然の中に埋もれるように佇む

 

アマンから教わるラグジュアリーの意味は、空間や自然を堪能できる時間そのものではないだろうかーー?

ふと思い出すのは、某ラグジュアリーブランドの総帥にインタビューした時のこと。あなたにとって“ラグジュアリー”とは?と質問すると、少し間を置いて「それは、時間だね。時間こそが、真のラグジュアリーだ」と答えられた。その言葉の意味が、二つのアマンを訪ねて、体感できた気がしたものです。

 

アマン東京
https://www.aman.com/ja-jp/resorts/aman-tokyo

アマネム
https://www.aman.com/ja-jp/resorts/amanemu

 

<プロフィール>

生駒芳子(いこま よしこ) 

VOGUE、ELLEを経て、マリ・クレール日本版の編集長を務める。2008年に独立し、ファッションからアート、デザイン、伝統工芸、エシカル、クール・ジャパン、社会貢献、女性のエンパワメントまで、幅広く執筆・編集・企画・プロデュースを手がける。2010年より、日本の伝統工芸を世界発進するプロジェクト「工芸ルネッサンスWAO」の総合プロデューサーを務め、パリ、ニューヨーク、東京で、ファッションやデザイン、アートを切り口としたキュレーションで伝統工芸世界を紹介。2017年、伝統工芸をベースに置いたラグジュアリーでクリエイティブなオリジナルブランド「HIRUME」を立ち上げ、2018年より本格発信をスタート。