日本語 | English | 简体中文 | 繁體中文

第4回の①:「KYOTO SOMÉ & ORI Project」 ~京都の伝統技術の素晴らしさを世界にアピール!

2018.04.10
blanc-162

 

 日、私が総合ディレクターを務める、パリ、マレ地区の「アトリエ・ブランマント」というギャラリーで、「Some & Ori」というプロジェクトがお披露目されました。これは京都府のファッションテキスタイル海外事業の一つで、西陣織や京友禅、丹後ちりめん等のテキスタイルを、フランスで活躍するアートディレクターやデザイナーと共に新たに開発し、「アトリエ・ブランマント」ギャラリーやショールーム、また現地のプロフェッショナルネットワークを通じて主にファッションのメゾン等への提案と販路開拓を行っているプロジェクトです。

blanc-85

パリで最もトレンディなエリア、マレ地区に位置するアトリエ・ブランマント

 

商品開発から販売まで、まさに川上から川下までの完結をめざす

このプロジェクトは大きな意味を持っています。現在フランスではメイド・イン・ジャパンがブームで、日本のモノやコトに興味を持ってくれる人はとても多いのですが、重要なのは、モノは使われて初めて価値が出るということです。しかし、これまで日本の職人さんが作ってきた伝統工芸品はそのままだと、いまのライフスタイルにそぐわないことも多く、現代に合うように編集しなおさなければ広がっていかない、昔のデザインのままでは通用しないのが現実なのです。そこで、日本の価値ある技術に海外のデザイナーやアートディレクターによる新たなデザインを加え、手にとって使ってもらえるモノを作りたいと考えました。そしてそれを現地のエージェントに販売してもらう、まさに商品開発から販売まで、川上から川下まで完結させることを目標としたのです。

2017年に初めてこの「Some & Ori」が始動し、初年度は10社の京都の事業社が参加。通常行政のプロジェクトは単年ごとに変わってしまうのですが、これの意味の大きさを理解頂けたからか、2年目を迎えることができました。今年度はそれぞれ伝統的でユニークな技術を持つ8社が参加。私がエルメス時代に一緒に仕事をしてきた信頼できるアートディレクターとデザイナーが来日し、彼らの制作現場を訪れ、じかに様々なインプットをしてテキスタイルを開発しました。私も現場に立ち会いましたが、これは双方にとってとても大きなチャレンジだったと思います。特に老舗で伝統も歴史もある事業社にとっては、これまで考えたこともない色の組み合わせや、テクスチャーを開発するのは、技術よりもマインドを変えることが何より大変だったのではと想像します。そして様々な紆余曲折を経て、それぞれの事業社から、最終的にはとても洗練された、美しい全く新しいテキスタイルの数々が誕生したのです。

 

「Some & Ori」ヴェルニサージュ(内覧会)当日、アトリエ・ブランマントには パリのメディア、メゾンのバイヤー、デザイナーなど業界関係者が集まり、大変な賑わいを見せた。ギャラリーにはTAMIYA(民谷織物)、 HISAYAMA(久山染工)、WATABUN(渡文)、 KOJIMA(小嶋織物)、 PAGONG(亀田富染工場)、KALEIDOSCOPIC (KALEIDOSCOPIC)、SANKA SEIREN(山嘉精錬)、KO-EI KOUGEI(光映工芸)のテキスタイルが美しくディスプレイされた。

 

文化的な背景やもの作りの精神を見せることが大切

れをパリのエージェントを通じて、ファッションのメゾンに紹介し販売しています。数多くのクライアントを持つパリのエージェントも、日本のテキスタイルの技術やクオリティの高さは、他と比べても全く遜色がないと太鼓判を押します。ただイタリア製の優れたテキスタイルなど、様々なチョイスがある中、メゾンのバイヤーに日本の生地を選んでもらうためには、日本のものを使う理由付けが必要なのです。つまり今回の「Some & Ori」のように、文化的な背景やもの作りの精神を全体として見せることが重要なのですが、これが1社だけだと難しい。さらにこういう場所、いい空間、いいディスプレイ、つまりプレゼンテーションにもこだわって見せることも大切なのです。

これまでアトリエ・ブランマントでは様々な展示やコラボレーションを行ってきましたが、これほど大掛かり、かつ包括的なプロジェクトは初めてでした。

 

素材だけではわかりにくいので、実際にテキスタイルを商品に仕立てたもの。同じデザインだが、質感や色、素材によってニュアンスの違いがはっきりわかる。

トリエ・ブランマントの機能は、日本の商品をパリで販売するだけではありません。同時にもう一度川上に戻って、ライフスタイルの中で何が必要なのかを作り手に伝えることにも取り組んでいます。それを最終的には視覚化していく、グローバルな視点と感覚が求められるのです。

blanc-231

【アトリエ・ブランマント情報】

L’Atelier Blancs Manteaux
38 rue des Blancs Manteaux 75004 Paris
Tel.  +(33) 01 43 48 67 83
http://abmparis.jp/

Open: 11:30 - 19:00  (日曜のみ13:00 -)、月曜定休