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第4回の③《後編》:「KYOTO SOMÉ & ORI Project」~「somé & ori」展に参加し、新しい刺激を受けた京都の伝統工芸社たち~

2018.07.20
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都府が同地の繊維・染織商材を欧米のファッション業界へ素材として展開することを目指す「KYOTO SOMÉ & ORI Project」。同プロジェクトの一環として、パリ・マレ地区のギャラリー「アトリエ・ブランマント」で開催した「somé & ori」展に参加した京都府のメーカー8社の中から、ベルニサージュ(オープニングイベント)に出席した5社をご紹介します。

後編となる本稿では、2社についてご紹介します。

 

 

案という“遺産”を最大活用する、京友禅の老舗
亀田富染工場/PAGONG
http://pagong.jp/

友禅の染物屋・亀田富染工場は、1919年創業。2001年に染め工場に眠っていた京友禅の図案で染めた生地をアロハシャツに仕立てたところ評判を呼び、翌2002年に「PAGONG(パゴン)」というブランドを立ち上げました。パゴンとは、タガログ語でウミガメの意味。社名の亀田に由来しています。

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亀田富染工場・5代目の亀田富博さん

戦前から染め工場に残っていた図案は5~6000点。これがPAGONGの大きな強みです。PAGONGの柄はそのままに、色だけをテキスタイルデザイナーのマチルド・ロゼアンヌ・ブレジョオンさんから指定されたものを作ってみたところ、「配色のセンスに驚いた」と5代目の亀田富博さんは言います。また、フランス的な要素を組み込むために、ブレジョオンさんデザインによる柄も制作。両者の統一感を出すために、色を揃えるなどの配慮をしたそうです。

「昔は染めた生地が結果的にどんな製品になるのか分からぬままに作っていましたが、このプロジェクトでは最終製品というゴールが見える。これは職人にとって、大きなやりがいです」と亀田さん。作り手のモチベーションが高まるという点でも、今回の試みには大いなる意義があったようです。

 

存の枠を越えた挑戦。業界への波及効果も期待
渡文
http://www.watabun.co.jp/

西陣織の帯をつくる渡文は、1906年創業。代表取締役社長・渡辺隆夫さんは西陣織興業組合の理事長を務めるなど、西陣織を代表する企業のひとつです。

今回の出展品のために、テキスタイルデザイナーのマチルドさん、アートディレクターのシャンタル・グラニエさんが選んだのは、通常、帯では使わない色。織物は縦糸と横糸の組み合わせで色を出すため、経験値が重要になります。パリ出展担当の小野博昭さんによれば、「織った時に要望通りの色が出るよう糸を染める工程が大変だった」とのこと。一般的な帯地より織幅を広げた点も、織り職人にとっては難しかったそうです。また西陣織はとても高価なもの。そのため、織り方を単純化することでスピードアップを図り、コスト削減を実現しました。

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渡文の小野博昭さん

「今プロジェクトには販路拡大のために参加しました。従来とは異なる西陣織に取り組む我々の姿が、同業者の方々に刺激になれば。この取り組みを、業界の活性化にも繋げたいですね」と小野さんは、波及効果に期待しています。

 

また今回のベルニサージュ参加社以外の、「somé & ori」展参加企業は以下の通りです。

●民谷織物
http://www.yamatou-orimono.com/tangosilk/tamiya_raden/tamiya_index.html

●山嘉精錬
http://sankaseiren.com/

●光映工芸
http://www.wada-mitsumasa.com/

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れぞれがこれまでの伝統工芸の枠から新しいチャレンジに取り組んだこの「Somé & Ori」。次回はこのイベントが実施された、パリのギャラリー「アトリエ・ブランマント」が生まれたストーリーと、日本のものづくりをパリで紹介するためのパートナー達との出会いをご紹介します。

 

第4回の③「KYOTO SOMÉ & ORI Project」《前編》はコチラ

 

【アトリエ・ブランマント情報】

L’Atelier Blancs Manteaux
38 rue des Blancs Manteaux 75004 Paris
Tel.  +(33) 01 43 48 67 83
http://abmparis.jp/

Open: 11:30 – 19:00  (日曜のみ13:00 -)、月曜定休