京都・細見美術館では「華めく洋食器 大倉陶園100年の歴史と文化」を開催中だ。日本の西洋文化を支えてきた大倉陶園の歩みや功績を紹介 する同展は、細見美術館が力を入れている「陶磁器に出会うシリーズ」9回目となる展覧会である。


真っ直ぐに茎を伸ばしたバラが1本だけ描かれる「一本のバラ プレート」(部分)1990年 大倉陶園蔵
1919年の創業から100年を迎え、日本を代表する洋食器メーカーとして名高い大倉陶園。その作品は、「セーブルのブルー、オークラのホワイト」と言われるほど、際立って深い白が特徴。皇室を始めとして多くの老舗ホテルやレストラン、文化人や財界人に愛されながら、日本への西洋文化普及の一端を担ってきたと言っても過言ではない。見どころは、大倉陶園を代表するデザイナー・百木春夫が手掛けた「1本のバラ プレート」。ロシア民謡「百万本のバラ」をモチーフとしながら深い白を活かした、同園を代表する作品だ。


映画「ラストエンペラー」で知られる満州国皇帝溥儀が奈良ホテルへ滞在する際に制作された「貴賓用特別食器揃」 1935年 奈良ホテル蔵


「色蒔デミタス碗皿」 1935-45年 東京村田コレクション
会期中には大倉陶園が手掛けた数々の作品と、その作品に関するエピソードを披露するイベントが企画されている。ギャラリートークには“ラストエンペラー”を迎えるため大倉陶園へ食器揃を発注した奈良ホテルの副総支配人が登場し、エピソードを紹介。茶室では歴史を学びながら作品を使ったティータイムも催される。
日本の洋食器の歴史そのものと言える大倉陶園の歩みを、様々な角度から知ることができる貴重な展覧会。西洋の文化と日本の美意識との出会いがもたらした奇跡を、大倉陶園の繊細な作品から感じ取りたい。
◆「華めく洋食器 大倉陶園 100 年の歴史と文化」
2020年1月7日(火)~3月29日(日) ※会期中に展示替え有り
前期:1月7日(火)~2月16日(日)
後期:2月18日(火)~3月29日(日)
10:00~18:00 ※入館は17:30まで
月曜休館 ※祝日の場合は翌火曜休館
一般1,400円(1,300円、学生1,100円(1,000円) ※( )内は 20 名以上の団体
細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺町 6-3
イベント情報
・ギャラリートーク「奈良ホテルと大倉陶園」
日時:2月22日午後2時〜
講師:辻 利幸氏(奈良ホテル 副総支配人)
会費:聴講無料 ただし、別途入館料が必要
・アートサロン「大倉陶園のお話とティータイム」
日時:2月15日(土)午後1時〜
講師:黒澤学氏(株式会社大倉陶園)
会場:茶室 古香庵(細美美術館3階)
会員:22名 ※申し込み順。定員になり次第、受付終了。
会費:一般4,500円 ※会費に展覧会入館料が含まれる。
※イベント内容、開催時間等、詳細情報は上記公式サイトより確認を。
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