東京が世界中の注目を集める今年の夏。西洋の近代芸術にも大きな影響を与えた日本を代表するアート、浮世絵の展覧会「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」が東京都美術館で7月23日(木・祝)から9月13日(日)まで開催される。


葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 横大判・錦絵 天保元~4年(1830~33)頃 太田記念美術館 “The Great Wave”として知られる世界で最も有名な日本の作品。3館の所蔵品を入れ替えながら常に展示される本展のみどころのひとつ。


左:重要文化財 石川豊信「花下美人」 大々判・紅絵 延享期(1744~48) 平木浮世絵財団
浮世絵の主流だった「美人画」は流行ファッションの発信媒体でもあった。
右:歌川国芳「人をばかにした人だ」 大判・錦絵 弘化4年(1847)頃 日本浮世絵博物館
日本の三大浮世絵コレクションとされる太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団から、重要文化財や重要美術品を含む約450点を一堂に展観する初の試みには、北斎、歌麿、写楽、広重、国芳ら60名以上の絵師による代表作が集結する。


喜多川歌麿「青楼仁和嘉女芸者部 たま村屋おひで 富本豊志名」 大判・錦絵 天明3年(1783) 日本浮世絵博物館
ファッションリーダーとして庶民が憧れた遊女や芸者の姿が「美人画」には多く描かれた。
庶民生活を活写した浮世絵は大衆に広く愛好されたポップカルチャーであった。その鮮やかな色彩と大胆な構図は印象派をはじめとする西洋の画家をも魅了し、ジャポニスム旋風を巻き起こしたことで知られる。今なお色褪せることなく、アヴァンギャルドな美意識が満ちた浮世絵の名品に触れることができる本展の開催の7月が待ち遠しい。この夏、世界に誇る日本文化の魅力を再認識したい。
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