新型コロナウイルスの感染予防・拡散防止のため、開幕を延期していた御大典記念 特別展「よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―」が、奈良国立博物館で7月4日から開催される運びとなった。令和への改元を記念して開催される本展では、正倉院宝物の再現模造品、約100点を一堂に公開。1300年もの時を越えてよみがえる天平文化の美と技を堪能することができる。


模造 黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう) 背 正倉院事務所蔵
聖武天皇や光明皇后ゆかりの品をはじめ、奈良時代を中心とした約9000件もの品々が収蔵されている正倉院。唐や西域・武具などからもたらされた国際色豊かなものまで、絵画、調度品、楽器、遊戯具、武器、文房具、仏具、染織品、文書など多岐にわたる文化財の宝庫だ。


左:模造 黄銅合子(おうどうのごうす) 正倉院事務所蔵
右:模造 黄銅合子(おうどうのごうす)の表面を削っている様子
正倉院宝物は、明治時代から修復作業と一体で模造製作が進められてきた。その後、昭和47年(1972)からは材料や技法、構造を忠実に再現した精巧な再現模造品が製作されてきた。科学技術の進歩が可能にした最新の調査・研究成果と、人間国宝ら伝統五術保持者の熟練の技との融合によってよみがえった正倉院宝物の再現模造品は数百点におよぶ。本展ではその中から選りすぐりの役100点を公開し、後世に継承すべき伝統技術の魅力を伝える。


正倉院正倉 外観
元は東大寺の倉として、美術工芸品や貴重な史料を所蔵していた国宝およびユネスコ世界文化遺産(文化遺産)
奈良国立博物館 は、多くの人が訪れる奈良公園内に建つ。公園内には大仏が鎮座する東大寺があり、少し足をのばせば平城京跡もある。タイムスリップしたような歴史空間で、都人の暮らしに思いを馳せながら、この春、天平文化の精華に触れる旅に出かけてみてはいかがだろう。
◆特別展「よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―」
2020年4月18日(土)~6月14日(日)
新会期:2020年7月4日(土)ー 9月6日(日)
9:30-17:00※金曜日は19:00まで
休館日:月曜日、8月11日(火)※ただし8月10日(月・祝)は開館
一般1,500円他
※会期中、展示替えあり
出品作品はすべて再現された模造。
会期終了後、全国巡回を予定。
会場:奈良県奈良市登大路町50(奈良公園内)
奈良国立博物館
公式サイト
https://shosoin.exhibit.jp/
問い合わせ
050-5542-8600(ハローダイヤル)
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