銀座メゾンエルメス フォーラムにて2020年11月29日まで開催中の「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展は、人が自然の一部として動物たちと共存してきた姿を、近年の映像作品3点やポートレイト作品で再考していく展覧会。布を用いたインスタレーション、建築家による会場構成など、多角的にデュマの紡ぐ物語を体験できる。
アムステルダムを拠点として活動するシャルロット・デュマは、現代における動物と人との関係性をテーマに、人間と密接な関わりを持つ動物たちを被写体としたポートレイト作品をこれまで発表してきた。2014年からは日本の在来馬を撮影し続けている。


Wave | 2017 | 80 x 109 cm | High pigment inkjet print© Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam


Yuzu and Urara | 2017 | 80 x 1109 cm | High pigment inkjet print© Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam
本展覧会では、近年デュマが協働を続けているテキスタイルデザイナー、キッタユウコの藍染の布のインスタレーションを展示している。沖縄県北部のヤンバルで、染料の栽培や採取から手掛ける琉球藍の布は、自然と人間とを媒介するものの象徴として作品を構成し、デュマの作品と相通じるところがある。


左:Bezoar| 2018 | intestinal stone of horse | 19th century | 50 x 40 cm | High pigment inkjet print| Musée Vétérinaire in Paris
右:Image from Yorishiro | 2020 | 19’35” | 4K video | Japan
ベゾアール(結石)は、動物の体内で形成される凝固物で、医学的に説明できる現象であるのにも関わらず、古い言い伝えなどでは神秘的な力を持つものとして考えられてきた。デュマは馬の撮影を通して、そうした原始の我々の姿を紐解き、馬と人間との共存の証拠を作品として提示する。この展覧会では、自然の中での人と動物の生と死、その儚さを鮮やかな作品たちから感じ取ることができるだろう。
◆「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展
会期:2020年8月27日(木)~11月29日(日)
月~土曜 11:00~20:00 (最終入場 19:30)日曜 11:00~19:00(最終入場 18:30)
会期中無休/入場無料
銀座メゾンエルメス フォーラム
東京都中央区銀座5-4-1 8・9階
03-3569-3300
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