1555年に創業し、京友禅随一の老舗として知られる千總。「色を巡る Narrative of colors」では、京友禅をはじめとした染織品で人生の節目を華やかに彩ってきた千總が、「色」をテーマに作品を展示している。
日本において最初に生まれた色の概念は白・赤・黒・青とされ、「しろ」は「はっきりしている」、「あか」は「明るい」、「くろ」は「暗い」、「あお」は「ぼんやりしている」という一日の巡りに由来してしているとも言われる。本展覧会では、2020年8月に開催された「白―はじまりの色」に続き、「あか」「くろ」「あお」をシリーズで開催。


江戸時代後期の「浅葱平絹地流水に琴牡丹菊文様振袖」。背中中央の赤い糸の縫い目は、子供の着物に魔除けとして施されたもの。
2021年2月28日(日)まで開催の第1期「あか」では、色に込められた厄除けの願いに着目。赤地のこどものきものや、京都の「やすらい祭」を描いた屏風、江戸時代などの小袖などが展示される。
また、2021年3月6日(土)~5月23日(日)までの第2期「くろ」では、「くろ」が「暗し」に由来することから、夜の景色を描いた作品が登場。「月に猫」「頭蓋骨と月」をはじめ、黒地の婚礼衣装や黒留袖などもディスプレイ。
そして、2021年5月29日(土)~8月22日(日)までの第3期「あお」では、自然の緑を「青々」とも表現する「あお」が持つ本来の意味と、色の関係性に注目。草木を描いた絵画作品などを展示する。また、青地の小袖や婚礼衣装も紹介する。


京都三大奇祭に数えられるやすらい祭を描いた「やすらい祭図屏風」。花傘の中に入ると一年間の厄をのがれて健康に過ごせるといわれている。
460年以上にわたり美しい色彩を追求し、生み出してきた千總が目を向けた「色」の魅力。この機会にじっくり堪能してみては。
◆「色を巡る Narrative of colors」
会期:
第1期「あか」開催中~2021年2月28日(日)
第2期「くろ」2021年3月6日(土)~5月23日(日)
第3期「あお」2021年5月29日(土)~8月22日(日)
会場:千總ギャラリー
京都市中京区三条通烏丸西入御倉町80(千總本店2階)
開館時間:11:00~18:00
休館日:火・水・年末年始
※入場無料
※展示替え・臨時休業等により開館時間が変更となる場合があります。
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